153. ページ3
その後も怪我をしたという生徒にできるだけ話を聞いてきたが、何者かにやられたなどの情報は一切なし。
学園長が話していた通り、「本人の不注意」という風にしか捉えられなかった。
私達は情報を整理しながら一旦オンボロ寮に帰ることにした。
「なーんか、どいつもこいつもおっちょこちょいってカンジしかしねーんだゾ。
やっぱり事件じゃないんじゃねーのか?」
『でも、あまりにもみんなの記憶が曖昧すぎる……』
うーん。と頭を悩ませていると、オンボロ寮の呼び出しベルが鳴った。
「ん?誰だ?」
「おーっす。あれ、グリムは機嫌が直ったみたいじゃん」
扉を開けて中に入ってきたのはエースだった。
「なんだ、オマエか。今オレ様は忙しいから遊んでやるヒマはねーんだゾ」
「忙しい?宿題終わらねーの?」
『実は……』
私はエースに学園長から言い渡された頼み事の内容を話した。
「ふーん。不審な事故による怪我、ねえ」
「でも話を聞いてるうちに、全員がおっちょこちょいか、大会が楽しみで浮かれてるだけなんじゃねーかって思ってきたんだゾ」
「エース!大変だ!」
『ひぎゃっ!?……って、デュース……』
急ぎ足でその場にやってきたデュース。表情から見ても焦っていることはわかった。
「ん?なんだよそんな慌てて……」
「クローバー先輩が階段から落ちて怪我をしたって……!」
「「えっ!?」」
あの、トレイ先輩が階段から落ちて怪我?
まさか先輩も……。
「ふな”っ!まさかあの食えない眼鏡のトレイも?」
『浮かれていたとは思いづらい……』
「確かに、トレイ先輩はウッカリで転んだりはしなさそう」
「話を聞きに行ってみるんだゾ!」
151人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年11月15日 0時