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その後も怪我をしたという生徒にできるだけ話を聞いてきたが、何者かにやられたなどの情報は一切なし。

学園長が話していた通り、「本人の不注意」という風にしか捉えられなかった。

私達は情報を整理しながら一旦オンボロ寮に帰ることにした。





「なーんか、どいつもこいつもおっちょこちょいってカンジしかしねーんだゾ。

やっぱり事件じゃないんじゃねーのか?」

『でも、あまりにもみんなの記憶が曖昧すぎる……』





うーん。と頭を悩ませていると、オンボロ寮の呼び出しベルが鳴った。




「ん?誰だ?」

「おーっす。あれ、グリムは機嫌が直ったみたいじゃん」





扉を開けて中に入ってきたのはエースだった。





「なんだ、オマエか。今オレ様は忙しいから遊んでやるヒマはねーんだゾ」

「忙しい?宿題終わらねーの?」

『実は……』





私はエースに学園長から言い渡された頼み事の内容を話した。





「ふーん。不審な事故による怪我、ねえ」

「でも話を聞いてるうちに、全員がおっちょこちょいか、大会が楽しみで浮かれてるだけなんじゃねーかって思ってきたんだゾ」

「エース!大変だ!」

『ひぎゃっ!?……って、デュース……』





急ぎ足でその場にやってきたデュース。表情から見ても焦っていることはわかった。





「ん?なんだよそんな慌てて……」

「クローバー先輩が階段から落ちて怪我をしたって……!」

「「えっ!?」」





あの、トレイ先輩が階段から落ちて怪我?

まさか先輩も……。





「ふな”っ!まさかあの食えない眼鏡のトレイも?」

『浮かれていたとは思いづらい……』

「確かに、トレイ先輩はウッカリで転んだりはしなさそう」

「話を聞きに行ってみるんだゾ!」

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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年11月15日 0時

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