寿命縮まったんですが２【ツイステ】 (ページ41)

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「でも、ある夜……。俺に隠れて泣きながら婆ちゃんに電話してる母さんの姿を見ちまったんだ。

自分の育て方が悪かったんじゃないか、片親なのがよくなかったんじゃないかって。

そんなわけねぇのに。母さんはなんにも悪くねぇ。悪いのは全部俺だ！

だから、名門ナイトレイブンカレッジから迎えの馬車が来た時、すげー喜んでくれた母さんを今度こそ泣かせないって決めた。

俺は今度こそ、母さんが自慢できる優等生になろうって決めたんだ。

……なのに、ちくしょう！」

デュースの過去を聞いてしまい、先ほどまでデュースに感じていた恐怖もすっかりなくなっていた。

「でもよぉー。全部我慢するのが優等生なのか？」

「……え？」

「オレ様だってさっきの不良どもにはあと１０発くらいパンチしてやりたかったんだゾ！

その前にオマエがやっつけちゃったけど」

『や、やり過ぎはよくないけどね』

「お前たち……」

『……優等生だって、怒るときはあるんじゃないかな』

私がそう言うと、デュースは静かに微笑んだ。

「そっか。……へへ。ヒヨコも安からかに成仏してくれるよな」

デュースの言葉に言おうか迷ったが、ここは教えてあげるのが優しさだと思って私は言うことにした。

『あの卵は無精卵だから、ヒヨコは生まれないんだよ……？』

「え、えええ！！！？？？嘘だろ！？！？！？」

デュースのその大声は学校中に響渡るほどだった。

その後、デュースは真実を知ってショックを受けながら一緒に食堂に戻っていった。

「俺が今まで信じてたものは一体……」

『げ、元気出してっ……；』

その時、デュースがハッとした顔をして私の方を見てきた。

「A大丈夫だったか！？怖がらせちまって本当ごめんっ！！」

『え……今さら……；

だ、大丈夫だよっ。デュースが純粋で優しいことは、さっきの話で十分にわかったから。

もう怖くないし』

「本当かっ？よかった～……嫌われたかと思った……」

デュースは安堵の息をついてそう言うので、私は少しだけ笑って「大丈夫」だと伝えた。

安心したデュースはというと、またヒヨコのことを思い出してショックを受けていた。