異世界の案内人。いや、猫だ２【ツイステ】 (ページ13)

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６３．ページ13

授業終わりのチャイムが鳴り響き、生徒達がわらわらと食堂へやってきた。

誰もが月に一度やってくる出張ベーカリーのパンを求めて駆け込んでくる。

一瞬にして長蛇の列ができ、パンの奪い合いをしている生徒らをAは椅子に寝転びながら眺めていた。

『み～んな真面目だにゃ～……んにゃ？』

Aの目線の先に、ユウたちの姿が見えた。

グリムが列に割り込んでいるのを止めようとしているようだった。

Aはそれを見ると、ニヤリと笑ってユウたちに近づいた。

「どうだ見たか、オレ様の力を！このデラックスメンチカツサンドのラストワンはオレ様のものだあ！

にゃっはっは！あと焼きそばパンとクリームパンもオレ様のものなんだゾ～～！」

「こらグリム、いい加減にしろ！スンマセン先輩がた！」

「あ、おじさん。オレはローストビーフとレタスの蒲焼きサンド１つね♪」

「お前もちゃっかり割り込んでるんじゃない！」

「もうグリムとエースは……はぁ……」

『おみゃーも苦労してるにゃ～』

「わっ！A先輩っ！」

突然背後から現われたAに、驚きの声をあげるユウ。

Aは相変わらずニヤニヤした笑みを浮かべている。

「先輩もパンを買いにきたんですか？」

『オレはもう食べたよ～毎月、ここのベーカリーのパンを食うことがオレの生きがいにゃのさ。

ユウも何か食べたらいいんじゃにゃ～の？』

「い、いや私はいいですよ。この行列じゃ買えないでしょうし……」

『クフフ、ちと待っとけよ～』

Aはそう言うと、姿を消した。