バレませんように【カリム】

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ある日、年に一度の寮対抗マジカルシフト大会が間近に迫ってきた頃、どの寮も選手に選ばれるための準備をし始めていた。

Aは特に目立つ競技には参加したくはなかったので、特に気合いを入れることはなかったが、フランの友人達の特訓に付き合ったりなどはしていた。





「今日もさっさと昼飯食べて魔法の練習しねーとな〜

フラン！また付き合ってくれよ！」

『うん、もちろんいいよ』

「お前本当優しいやつだなぁ〜！お礼に今日の昼飯、パン１つ奢ってやるぜ！

丁度出張ベーカリーが来る日だし」

『マジでか！ありがとな！』





男友達との接し方もだいぶ熟れてきて、以前よりは疲れを感じなくなっていた。




食堂へやってくると、出張ベーカリーのところに早速列を作って並んだ。

先ほどの授業がたまたま早く終わったので、それほど人は並んでいない様子だった。





『何にしよっかな〜』

「フランって何が好きなんだ？」

『オレ？オレの好きな食べ物は……乾燥させたフルーツかな』

「ハハッ！女みてぇな好みだな！」

『なっ！べ、別にいいだろっ、もう……』





Aはそっぽを向いてそう言った。





『(今のってそんなに女っぽかったかな……

肉とか言った方がよかった？)』





このように、毎日試行錯誤の繰り返しだった。

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