バレませんように【カリム】

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自分よりも小さな、しかも女に投げ飛ばされたことで、怒るどころか逆に機嫌が良くなる男。

Aが困惑していると、自ら起き上がってAを笑顔で見つめる。




「オレ、フロイド〜。ねぇアシカちゃん、それオレにも教えてよ〜」

『それって、武術のことですか……？』




Aの頭はもう「？」で埋め尽くされていた。

しかし、これはチャンスだとでも思った。




『お、教えてもいいですけど……その代わり、私がフランじゃないってことは絶対に誰にも言わないって約束してくれますか？』

「うんいいよ〜」





すんなりと了承され、Aは一気に肩の力が抜けた。




『よ、よかったぁ……２日目にしてもう終わったかと……』

「ねぇねぇ早く〜」

『わ、わかりましたよ。ここじゃ狭いですし、外の開けた場所でしましょう』

「おっけ〜」





そう言うと、フロイドはAに大人しくついてきた。





『(何なんだこの人……ムラッ気がすごすぎないか？)』





後ろをついてくるフロイドは、とても機嫌良さげだった。

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