バレませんように【カリム】

２４． ページ24

オリエンテーションが終了し、Aはその男子生徒を連れ人気のない廊下の端に来ていた。

入念に周りに人がいないことを確認するA。

「早くしろ」と言っているかのごとく見下ろしてくる男。





『はぁ……その、まず名乗ります。

私は、A・リー。フランの双子の妹です』

「へ〜だからそんなにそっくりなんだぁ〜オレも双子なんだよね〜

……それで？なんでアシカちゃんのフリしてるの？」





Aは「それは……」と言って言葉を濁す。





「……言いたくねぇなら別にいいけどさ。オレも特に興味ねーし。

てかメスなんだ。……あはっ、こっちのアシカちゃんの方が絞め甲斐あって楽しそうかも♪」




そう言って手が伸びてきた瞬間、Aは咄嗟にその手を掴んで自分よりも大きな男を背負い投げた。




「っ！？」

『ふぅ…………ハッ！』





Aは反射的に動いてしまったのか、自分がやったことを思いだし顔を青ざめていく。





『そ、そのっ、ご、ごめんなさいっ！！！

私昔から武術を嗜んでて、反射的にっ……！あぁっ大丈夫ですかぁ！？』





Aがテンパっていると、床に大の字で寝転がっているその男が突然笑い出した。





「プッ……アハハハ！何コレ超面白え〜！

ねぇ今のどうやったのぉ？アシカちゃん小せえのに強ぇね〜オレ強いの好き〜」

『え……ご、ご機嫌……？』





Aは更に困惑していた。

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