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「寮長の圧政に、副寮長の彼が困っている……ふむ。
では、力になってさしあげなくては」
アズールが胡散臭い笑みを浮かべながらそう言った。
「ほぁ?オメーがそんなこと言うなんてどういう風の吹き回しなんだゾ?」
「失敬な。僕は前回の一件で自分の欲深さを反省し心を入れ替えたのです。
これからは海の魔女のように、慈悲の心で学園に貢献しようと決めています」
『よく言う……』
Aはボソッとそう呟いた。
「今、スカラビアが危機に瀕し、クラスメイトが助けを求めている_____
そんな一大事、無視することはできません」
アズールの言葉にリーチ兄弟も胡散臭い笑みを浮かべている。
「毎年同じ顔に囲まれてターキーをつつくのにも飽きてきたところです。
僕たちも明日からスカラビアへお邪魔しようじゃありませんか」
「えぇっ!?せっかく逃げ出したのに、また監獄に戻るのか?オレ様、嫌なんだゾ」
グリムとユウは嫌そうな顔をして抗議している。
「まーまー、アザラシちゃん。そう言うなって」
「アズールに任せておけば、きっと楽しいホリデーになりますよ」
「お邪魔するのに手ぶらも失礼です。ジェイド、フロイド、手土産の準備も忘れずに」
リーチ兄弟は返事をすると不適な笑い声を漏らした。
「Aさん、貴方も一緒に来てくれますよね?」
「いや、さすがにA先輩は……」
『……いいだろう。僕もついていってやる』
Aがまさか同行するとは思わず、ユウは驚いていた。
『カリムの様子も気になるところだしなぁ?……ククク』
「フフ、では決まりですね。
灼熱の砂漠で過ごすホリデー。楽しみですね。フフフ……」
Aとアズールはお互いに不適な笑みを浮かべていた。
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らむくん(プロフ) - やだッッッ!!お前すきッッッ(帰れ (2020年7月13日 19時) (レス) id: 4eb72e88f0 (このIDを非表示/違反報告)
暇人B - 続編おめでとう御座いますぅぅぅぅぅぅぅぅぅ((うるせえ (2020年7月13日 16時) (レス) id: 655b6dff02 (このIDを非表示/違反報告)
蝶凛 - 続編おめでとうございます!無理をせずに更新頑張ってください! (2020年7月12日 22時) (レス) id: 7c94aa4f70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年7月12日 21時