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「この冬採用されたというスカラビア独自の学習スタイルも学ぶところが多そうですし……」
『僕も、別の寮のやり方を見てウチの寮で取り入れられることがないかどうか勉強したいと思っていたしな』
「そりゃいい!オクタヴィネルの寮長と、ポムフィオーレの次期寮長がウチの寮に滞在してくれるなんて、願ってもない」
カリムは2人の提案に賛成の様子だった。しかしそこでジャミルが割って入る。
「……カリム、俺は反対だ」
「えぇ?なんでだよ」
「他の寮に追いつくために、わざわざ冬休みを潰して特訓しているんだぞ。
それなのに、他寮の寮長を招き入れるなんて、敵に手の内を明かすようなものじゃないか」
「敵なんて大げさだな。それに、オンボロ寮の2人はお前が連れて来たんじゃないか」
「それは……っ、そうだが」
ジャミルはそう言われると言葉を濁す。
「俺はお前たちのためにも言ってるんだぞ。アズール、A……!」
「ジャミルさんのご意見はごもっとも。他の寮は常に成績を競い合うライバルですから」
『確かに。バイパーの言うことは正しい。
なら、僕らはこれで帰るとしよう。精々、特訓を頑張ってくれ』
そう言うとAたちは背を向けて歩き出す。
「はぁ……極寒の中、今年も3人ぼっちのホリデーですか……。ま、仕方ないですけど……」
「頑張って魔法の絨毯も捕えたんですがねぇ……」
「モストロ・ラウンジもめちゃくちゃになったのになぁ……」
『態々交通機関を乗り継いでまで、ここへ戻って来たのに。まさか拒まれてしまうなんて。
寮長になんて言えばいいのやら……』
『「「はぁ〜〜〜〜〜……ションボリ」」』
Aたちはあからさまに”引き留めて欲しい”というオーラを醸し出していた。
「___ちょっと待った!」
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らむくん(プロフ) - やだッッッ!!お前すきッッッ(帰れ (2020年7月13日 19時) (レス) id: 4eb72e88f0 (このIDを非表示/違反報告)
暇人B - 続編おめでとう御座いますぅぅぅぅぅぅぅぅぅ((うるせえ (2020年7月13日 16時) (レス) id: 655b6dff02 (このIDを非表示/違反報告)
蝶凛 - 続編おめでとうございます!無理をせずに更新頑張ってください! (2020年7月12日 22時) (レス) id: 7c94aa4f70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年7月12日 21時