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アズール「君たちは僕と勝負して、負けた。契約に基づき、これから卒業までの間、僕の下僕として身を粉にして働いてもらいます」
エース「ちょっと待った。こんなん詐欺だろ!」
エースが前に出てアズールに向け声をあげた。
アズール「たしか君は、1年生のエース・トラッポラさんでしたね。詐欺だなんて人聞きの悪い。
僕は契約通り君に完璧なテスト対策ノートを渡したはずですよ。しっかりこなせば、90点以上は取れたはずだ」
エース「ああ。確かに取れたぜ、92点!」
アズール「それは良かった!お役に立てたようでなによりです」
エース「でも、対策ノートを渡した相手がこんなにいるなんて話は聞いてねーよ!」
デュース「エースの言うとおりだ。これじゃ、いくら対策ノートをもらったって上位50位に入れるわけないじゃないか!」
グリム「みんなが90点以上じゃ、85点取っても赤点の時と順位がかわらねぇんだゾ!」
アズール「あなたたち、守秘義務、という言葉をご存じですか?
楽をして良い点を取りたい、落ちこぼれになりたくない、テスト前日まで遊び呆けていたい__
今回、期末テストで僕を頼ったバカ……いえ、みなさんの事情はさまざまでしたが……
”誰が”、”どんな事情で”、”どんな契約をしたか”……などというプライバシーに深く関わることを、僕がペラペラと他人に喋ったりするわけがないじゃないですか。
僕はとても誠実な男ですから。ほら、契約書127ページ目に秘密保持契約についての約款があるでしょう。僕はそれを守っているだけのこと」
グリム「じ、じゃあテスト対策ノートの担保に預けたオレ様の火の魔法はどうなるんだゾ?」
「そ、そうだ。僕の水の魔法は?」
「オレのユニーク魔法、返してくれよ!」
口々に生徒達がそう言う。
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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年7月3日 19時