薔薇迷宮の番犬 ⅱ【ツイステ】 (ページ18)

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「……で？何故俺が怪我した話を聞きに？」

「学園長に頼まれて」

監督生がジャミルに向けそう言う。

「学園長が？ふーん……まあ、いいだろう」

ジャミルはそう言うと昨夜のことを思い出しながら話し出した。

「昨日の夜、俺はカリムに頼まれて調理室で夜食の羊肉の揚げ饅頭を作ってた」

「ジャミルの作る揚げ饅頭、ほんっとに美味いんだ！今度お前らも食いにこいよ」

科見るが横からそう言ってくる。

「カリム、話の腰を折るな」

「あっ、悪い悪い」

話を戻しジャミルは続きを話す。

「具材を細かく刻んでいた時に、何故か手元が狂って手を傷つけてしまった」

「ジャミルの包丁さばきはウチのコックも舌を巻くレベルなんだぜ。

マジフトの練習で疲れてたのか？」

「いや。俺はその程度で手元を狂わせたりはしない。

だけど、調理中に一瞬、意識が遠くなったような感覚があった」

「めまい？」

「殆どの奴らはそう思うだろうが……俺にはあの感覚に少し覚えがある。おそらく、ユニーク魔法の一種だ」

ジャミルのその発言に、リドル達は表情を強ばらせていた。