夜桜の木の下には彼女がいた２～FFI編～ (ページ12)

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Aが合宿所に帰ってくると、二人と一旦別れ食堂の厨房に立った。

『……うん、ものは試しだな』

そう言ってAはその場で料理を始めた。

春「ただいま戻りました～！」

秋「あれ？なんか良い匂いしない？」

秋達が帰ってきたのか厨房にやってきた。

秋「あれ？Aちゃん？お料理してるの？」

春「わぁ～！凄い美味しそうなものばかりですねー！」

春菜は並べられた料理に目を輝かしていた。

『いや、今日乃々美さんがお弁当持ってきてくれただろ？

それで、私もこういうのちょっとやってみたくなってさ』

Aは少し恥ずかしそうに笑った。

秋「でもこれ本当に凄い……Aちゃんこんな凄いの作れたんだ！」

春「まるで高級料理ですね！使ってる材料はいつもと変わらないのに」

『あぁ、これはその辺にあったレシピ本を見て作ってみただけなんだ。美味しいかどうかはわからないけど』

秋と春菜はAの料理を味見してみた。

春「お、おお美味しいです！プロ顔負けです！！」

秋「凄い凄い！初めてだなんて信じられない！」

『そう言ってくれるだけで嬉しいよ。

その辺の料理、夕飯にでも出してくれていいから。勝手に厨房使ってごめんな』

Aはそう言うと厨房から出て行った。

春「本当にAさんて何でもできちゃうんですねぇ。

そりゃ男も皆狙っちゃいますよ」

秋「Aちゃんの魅力、また一つ知れたね」

そして夕飯時、いつもと違うメニューに皆は驚いていたが、それを食べた瞬間感動のあまり泣きだす者もいたという。

『偶には、こういうのもいいかもね』

Aは皆の喜ぶ顔を見て小さく微笑んだ。