元最凶の吸血鬼がメイドになった件 Ⅵ【黒執事】 (ページ7)

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それから翌日、シエルがセバスチャンとAが作った茶菓子を持って白鳥宮へ行っている間、Aはセバスチャンに捕まっていた。

セ「あぁ……猫の肉球というのは何と柔らかいのでしょう……永遠に触っていられます」

『ｲﾗｲﾗ……いい加減離せこのカラスめっ』

セ「おやおや、今は貴方は私のペットなのですから、主人に爪を立てることは許しませんよ」

『誰が主人だっ！？』

その時、扉をやや強めに叩く音が聞こえセバスチャンはようやくAを離した。

セ「どうぞ」

セバスチャンがそう言うと外から入ってきたのは怒りの凶相のシエルだった。

セ「坊ちゃん？どうなさったのですか？」

『あのモーリス・コールに一杯食わされたみたいだな』

Aがそう言うとシエルは図星だったのか茶菓子の入ったバスケットを乱雑にテーブルの上に置いてソファに腰掛けた。

シ「くそっ！！やられた！！これだから口約束は嫌なんだ！書面で寄越せ！！」

セ「おやおや坊ちゃん、相手が学生と思って油断なさいましたね」

『人間は秀でた他人を妬むもの。経験がないわけではなかろう？』

Aがそう言うとシエルはムッとした顔になる。

セ「エドワード様には弁明を？」

『あぁ、確かあの小僧は翡翠の獅子寮の監督生の寮弟だったな』

シ「あいつみたいなタイプにはするだけ無駄だ。すっぽかしたことは事実だしな」

セ「では、このまま泣き寝入りなさるので？」

シ「まさか、僕は必ず監督生に取り入ってみせる。そしてきっちり借りも返す！

僕に労力の無駄使いをさせたことを後悔させてやる、モーリス・コール！」

『フッ、それでこそ我が主だ』