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二葉 ページ3

歌舞伎町をぼーっと歩く。これが私の日常になっていた。


あれから数年。



彼はどうやらこの辺りには住んでいないようだったが、

あれからも度々歌舞伎町を訪れていた。






そしてその度にパイプキャットに連れていかれ、今ではすっかり顔なじみになってしまった。


そして……


「あ、Aも来てたん…」
「モリアーティィイ!!!」



「うわっ?!ちょ、いきなり抱き着いてくんなっていつも言ってんだろ!」


私はモリアーティを視界に捉えると同時に抱き着きという名のタックルをかます。


そしてそのままモリアーティ共々倒れこむ。


今ではこれも日常なのである。








そう、私はすっかりモリアーティ大好き人間になり果てていた。




「A、起き上がれないからちょっと離れて…!」


べりっと引きはがされる。ここまで定期。



「僕はそんなモリアーティも好きだよ」



だからもちろん私もそんな程度じゃへこたれない。


嬉しくて仕方がないという顔でそう返す。




「モリアーティ、今日はどんな用で来たの?」


「そっちこそどんな…って、一つしかないか」



流石モリアーティだ、私の用事を察してくれたらしい。




私の用事はもちろん、モリアーティに会うことである。

何と言ったって、その為にほぼ毎日ここに通っているのだ。



だからモリアーティがパイプキャットにいる時はいつも私も一緒。


「あ、そうだ、ねぇハドソンさん、シャーロックって今出かけてる?」

来てすぐにシャーロックの事を訪ねるモリアーティと、「部屋にいるわ」と答える夫人



「モリアーティ!僕との時間をもっと楽しもうよ!」


もう行ってしまうのかとしゅんとした顔をしてみせると



モリアーティは軽く苦笑いを浮かべながら頭を撫でてくれる。


出会った時は同じくらいか私より少し小さいくらいだったモリアーティだが、



今ではすっかり身長を抜かされてしまった。





男の子だなと感じつつも、少し悔しい。



「あ、今日はAもおいでよ、ね?」
「行く」


宥めるように言うモリアーティと当然のごとく即答する私

それを夫人は何時もの光景だと微笑ましそうに眺めながら、いってらっしゃいと言ってくれた。



ちなみにモリアーティに誘われたら拒否権は私にはない。

私が私にそんな選択肢は与えない。





モリアーティについてきて?(※幻聴)と言われすっかり浮かれた私だが、



これから行く先は地獄である。








さて、覚悟を決めよう。

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ユナ(プロフ) - 更新楽しみにしています (2020年6月2日 19時) (レス) id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - 歌舞伎町シャーロックの小説があって凄く嬉しいです…!無理をしないで更新頑張ってください! (2020年3月28日 2時) (レス) id: f31585a7f8 (このIDを非表示/違反報告)
真夏の夜(プロフ) - 更新を楽しみにしています(^^) (2020年3月21日 2時) (レス) id: 1160d728c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜の木 | 作成日時:2020年3月15日 1時

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