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『ハリー達が罰則を?』
諸用があってハグリッドの小屋を訪れていたAは目の前の大男から発せられた言葉に驚いた様子で返した。
『またなんでそんな事に?』
「あぁ……いや、ドラゴンの卵が孵るところをな、そのぉ」
ハグリッドがバツが悪そうに事の顛末を話す。
話を聞くにつれてどんどん鋭い目付きになるAに冷や汗を垂らすハグリッド。
何せ"美人が怒ると怖い"というものをこれ以上無いほど体現したのがこの男、A・ポップルウェルなのだから。
普段穏やかに微笑んでいるAが厳しい目付きをするだけでその場の温度が5度下がるほどだ。
「違うんだ!ハリー達は悪くねぇ!……俺が、その」
『………ハリー達はなぜそんな時間にこの小屋へ?』
「………っ
え、と、それは………」
ハグリッドは恐る恐ると言った風に、ハリー達が賢者の石について探っていることを話す。
厳しく細められていた目が、まんまると見開かれた。
『なんですって?
ハグリッド、まさか賢者の石について詳しく喋ったんじゃないでしょうね?』
「詳しくは話してねぇ!
俺はただ、賢者の石は先生方がキチッと護ってるから心配するなって話をしただけだ!」
『………他には?』
「………フラッフィーの話を、ちぃと」
なんてことを、と頭を抱えるA。
『はぁ………喋ってしまったものは仕方ありません。
以後、十分に気をつけてください』
「す、すまねぇ……A」
小屋を出る直前、ドアノブに手をかけながらAはハグリッドを振り返ってそう言えば、と零す
『ハグリッド、あなたドラゴンの卵なんてどこで手に入れたんです?』
「あぁ、あれか?あれはなぁ……」
パブで知らない人間から卵を譲り受けたというハグリッドの言葉に、Aは何かを考え込んでいた。
『とりあえず、今日の罰則には僕も着いて行くことにします』
そう言い残して去っていくAの後ろ姿を眺めながら、ハグリッドはホッと息を吐いた。
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わさび(プロフ) - ぴうさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!一気読み!?あ、あまりご無理なさらずに!!! (5月22日 22時) (レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
ぴう(プロフ) - うぁぁ、タイプだぁぁ面白いです!これから一気読みします! (5月20日 18時) (レス) id: c288b38476 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - 龍さん» わぁぁぁ!ありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです!! (2022年8月22日 22時) (レス) @page42 id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
龍(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしています! (2022年8月22日 20時) (レス) @page43 id: c13f564568 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わさび | 作成日時:2022年8月1日 22時