2001に奇跡の波を (ページ10)

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10話:煙と鎖ページ10

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………

『……ｯ…こ、ここは…
リタ！？リタ！！』

リ「Aｯ！ここだ！！」

真っ暗の部屋の中。
私は両腕を頭の上で拘束された状態だった。

『な、何なのコレｯ！？』

リ「いったん落ち着け！俺は今この柱を挟んだお前の後ろにいる。お前も拘束されてるか？」

『されてる…リタもなのね…』

リ「あぁ。とりあえずこの拘束をどうにかしねぇと…」

私達はまず腕を拘束している鎖に目を向けた。
鎖は天井へと繋がっていて腕は動かせない。
力を入れて引っ張っても切れそうにはないし、助けが来るような気配もない。
そして…

『焦げ臭い…』

リ「あぁ。しかも煙が出てきた。近いな。
あの空気窓から入ってきてる…隣か…」

『隣で何かが燃えてる…？
ここまで火がこないとしても煙で一酸化炭素中毒になって死んじゃう…』

リ「レオとの〈勉強〉で習ったことがこんなところで役に立つなんてな…」

リ「やっぱこれだよな…。
この手元にあるボタン」

『私のところにはないけど、押していいの？
明らかに怪しいよ。押さない方がいいんじゃ…』

それにあの子達もいない…。
もしかしたら危険な目に遭ってるかもしれない…。

とりあえずもう少し様子を見ることにしたが、何も起こらない。
ボタンを押すこと以外にはめぼしいものは何もないし…。

リ「…煙ももうヤバいぞ。
他にすることもないしもう…押すぜ？」

『…うん』

リタがボタンを押すとすぐに腕の鎖が外れた。

『なんだ…この鎖のボタンだったのね…。
無駄な用心だったみたい』

リ「さっさと押しとけばよかったな。
まぁ警戒するべき状況だし、判断は間違ってなかっただろ。
じゃあ出ようぜ、部屋の煙がまずい」

鎖を外して自由になったため、煙を避けようと屈む。
するとその床の一部が外れるようになっていることに気がついた。
はずしてみると地下があるようで梯子がのびている。
リタを呼び、出口もないため私達は地下におりることにした。