2001に奇跡の波を (ページ35)

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35話:窓を飛び出してページ35

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ジョルノはその日から毎晩私の病室に来るようになった。
一緒に月を眺めながら会えなかったこの１年のことを聞いたりした。
そして、
私が時々見たあの黒い影の正体がわかった。あの影は〈スタンド〉というらしい。ジョルノは知ってたみたいだ。

彼の説明によると、スタンドは自身の魂のビジョンを具現化したものらしい。
なんだかよくわからないけど、そういうものらしい。

ジョルノもスタンドを見せてくれた。
名前は〈ゴールド・エクスペリエンス〉。能力は物体に生命を与える…。
ジョルノもまだ発現したばかりで詳しくは分からないそうだけど。

ジョ「A、キミのスタンドにも名前をつけてみては？」

『名前…。私まだ能力とか知らないし…』

ジョ「能力にちなんだ名前でなくてもいいですよ。キミの好きなように決めればいいんです」

『じゃあ、も少し考えてみようかな』

でも…なんだろ。知ってる気がするのよね、この子の名前…。
…ま、いっか。

『で。今日はなに？どうしたの？
いつもと表情がちょっと違うね、何か私に言いたいことがあるんじゃないかしら？』

ジョ「…Aに隠し事はできませんね」

ジョ「A、僕はギャングスターになりたいんです。
そのためにギャング組織に入団しようと思ってます」

冷たい風が吹き込む。

ふーん…ギャングスター…。

『…んー……ねぇ、その夢を叶えるために』

ジョ「キミが必要です」

ジョ「僕に、着いてきてくれませんか」

『あら。もちろんよ』

私があんたの頼みを断るわけないでしょ。そんなに不安そうな顔しないでよ。

ジョルノが差し出した手に私の手を重ねた。
そのまま引っ張られて私は彼の胸におさまった。

思わず瞑った目を開くと…

『わっ…』

ジョルノは私を抱き締めたまま窓を飛び出していた。

上にあるジョルノの顔を見上げる。

『いつもこんな感じで帰ってたの？怖くない？』

ジョ「ハハ、まさか」

小さな衝撃と共に広がった視界の中に花びらが舞った。

ジョルノから離れて辺りを見渡す。

バレてないよね…？
朝にはバレちゃうけど、今誰かにバレたら大変だぞ…早く行こうっと。