2001に奇跡の波を (ページ3)

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３話:始まりの夜ページ3

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あてもなく夜の町を駆ける。

路地裏で返り血だらけの体を隠すように小さく蹲った。

心の中はグチャグチャで大粒の涙がこぼれ落ちる。

ついてきた影が私を覆い隠してくれるように感じた。

私はどうなるのだろうか？
ケーサツに捕まっちゃうのかな、
それともここで一人で死ぬ…？

『怖い……助けて、おばあちゃん…』

独りで泣いている時だった…

？「お…おぉ……お前！
どうしたんだよそれ！！怪我してる！？」

『！？！？』

一人の少年がAに駆け寄ってきたのだ。

そしてAをまじまじと見つめ、動揺して何も言えない彼女に少年は話しかけ続けた。

少年「お前の、怪我じゃないんだな…」

『……、』

少年「…まぁ、それなら良かったよ。
んで？
どうしたんだって、親心配してんじゃね？
こんな時間に家に居ねぇとか」

『あ……え、と…お、親は…』

少年は彼女の姿で察したようで、無言でAの手を握った。

リタ「…俺はリタ。
お前もう帰るとこないんだろ？」

「俺さ、孤児院にいるんだ。お前も来いよ。
不安だろうけど大丈夫だから、な？」

大丈夫、きっと大丈夫。

リタはそう言って太陽のように明るい笑みをうかべた。

他に行き場なんてない。
このままココで死ぬくらいなら、信じてついていこう。

Aは小さく頷く。

リタはAの手を引いて暗闇を駆け出した