33話 ページ34
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A「ごめん、って…」
吹雪「…僕はキミに雷門中に行くように勧めた、それは白恋を守る為に革命を起こしている雷門の力になり、フィフスセクターを倒すため。
…でも、それが……元々フィフスセクターが狙っていたことだったんだ。」
A「なっ…」
愕然とした。
まさか吹雪の考えたこの行動は、元々フィフスセクターが狙っていたことだった。
吹雪「それでフィフスセクターはコーチの僕を追放した。」
A「そこまで、するなんて…」
その吹雪の話からAは何かに気が付き、慌てて問い掛ける。
A「じゃあ白恋中は!? っ…豹牙、は……」
吹雪「白恋中は────
フィフスセクターの手に、落ちた。」
A「そん、な……っ」
Aは脱力したようにその場で膝を着いて座り込んだ。
吹雪は慌ててAを支えるように肩を優しく掴みながら、悔しげな表情を浮かべる。
吹雪「…でも、雪村はフィフスセクターには落ちてないはずだ。彼は一番熱いサッカーが好きだからね。」
A「…! そうね、…そうだ、豹牙なら大丈夫…」
Aは自分に言い聞かせるように数回言葉を繰り返すと、不安は残るも先程気が軽くなり小さく頷いた。
A「すみません、吹雪さん…ビックリして、つい…」
吹雪「気にしないで、Aちゃん。
…ねえ、雷門中に案内してくれるかな? 次の試合は白恋と雷門。…今の雷門の力で、白恋中を取り戻したいんだ。」
吹雪は見据えるようにAを見詰めた後Aは頷き、ゆっくりと立ち上がって二人は雷門中へと向かった。
雷門中に着くと、皆は練習を行っていた。少し離れたところから吹雪とAは皆を眺めた。
すると倉間が蹴ったボールがゴールの上を通り、吹雪へと向かった。
吹雪はその場で軽く跳んで胸でボールを受け止めると、片手でボールを手にした。
吹雪「うん、気持ちの篭ったいいシュートだったね。」
円堂「吹雪? 吹雪じゃないか!」
春奈「それにAさん、吹雪さんと一緒だったのね…!」
吹雪「久しぶりだね、皆。」
吹雪の姿を見て直ぐに誰かわかった円堂は名前をあげて、吹雪の隣にいるAを見て春奈は何処か安心したように述べると鬼道が一歩前に出て話し掛けた。
鬼道「心配していたぞ、白恋中のコーチを外され、行方がわからなくなっていたと聞いていたからな。」
鬼道の言葉に、吹雪は眉を下げて皆を見つめた。
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作者名：りはる | 作成日時：2020年4月1日 2時
