32話 ページ33
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輝「それは…叔父は雷門サッカー部に、色々とご迷惑をお掛けしたと聞いています…。だから、名前を言うと入部は許されないと思って…。
…やっぱりダメですよね! はは…じゃあ、お騒がせしました」
輝は監督たちに頭を下げて、部室から出ようと背を向けた。
その時、円堂が"待て"と声を掛け、輝は振り向いた。
円堂「影山輝、サッカー好きか?」
輝「…! っ…はい!」
輝は一度俯いて答えるのを戸惑うも、ハッキリと答えると円堂はニッと微笑んだ。
円堂「だったら迷うことはない!」
鬼道「確かに影山零治が雷門サッカー部にしたことは───。」
鬼道が述べている途中、Aのポケットからバイブが伝わる。
Aがバイブに気がついて端末を手にすると、画面にとある人の名前が表示されていた。
春奈「Aさん?」
A「すみません、その…知り合いから連絡が来たので、少し席外します」
春奈「えぇ、わかったわ」
春奈がAに気がついて声を掛けるとAは要件を述べ、承諾を貰うと頭を下げて部室から出た。
外に出た時、応答マークを押して耳にスピーカーを当てると聞き慣れた声が流れた。
『久しぶりだね、Aちゃん。』
A「"吹雪"さん…!」
そう、掛けてきたのは元イナズマジャパンの吹雪士郎だった。
白恋中のコーチをしており、Aは吹雪ととても仲が良い。
A「どうかしたんですか?」
吹雪『…Aちゃん、鉄塔広場に来れるかな。』
A「鉄塔広場…ですか?」
吹雪『うん、大事な話があるんだ。』
吹雪の声はいつもみたいにふわっとした優しげな声ではなく、くっきりとした真剣な声。
Aは大事な話だと聞けば、"わかりましたと"返事をして、そのまま鉄塔広場へと向かった。
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A「吹雪さん!」
吹雪「やあ、Aちゃん。元気そうだね」
数分後、鉄塔広場に向かうと景色を眺めていた吹雪の姿があり、Aは駆け寄ると嬉しそうに笑みを浮かべた。
吹雪もAの姿を見るなり嬉しそうに微笑んだ。
A「大事な話って何ですか?」
吹雪「…Aちゃん、ごめん。」
A「えっ…? ふ、吹雪さん?」
吹雪はAを真剣な瞳で見据えた後に、そっと俯いて一言を述べた。
何故謝るのかと不思議そうに吹雪を見詰めると、吹雪はそっと顔を上げて悲しげな表情を浮かべた。
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作者名：りはる | 作成日時：2020年4月1日 2時
