第100話 決心 ページ5
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聞けば、銀時さんの元へ最初に駆けつけたのは晴太くんだったらしい。
こんな小さな子にも迷惑をかけた後ろめたさが相まって、日輪さんが見れない。
晴太くんを夜に走り回せたのは私だ。
『日輪さん、月詠さん、晴太くん。
ご迷惑をおかけしてすみませんでした』
何かを言われても仕方ない。受け止めよう。
そう覚悟していたのに返ってきたのは、頭にのる優しい手のひら。
『月詠さん……』
「無事ならそれでいい」
「ここに戻ってきてくれたんだから、それだけでいいんだよ」
「A姉、早くひのやに来てくれよ! 」
どうして、こんなに優しく迎えてくれるんだろう。
どうして、こんなにも温かい。
「A‼︎ 」
「Aさん‼︎ 」
『神楽ちゃん、新八くん……』
息を切らしながら、銀時さんと共に2人が病室に入ってくる。
私の顔を見るなり、新八くんは微笑み、神楽ちゃんはぎゅっと私に抱きついた。
それだけで、2人がどんなに私を心配してくれたがわかる。
ふいに銀時さんと目が合うと、そっと笑いかけてくれた。
その微笑みがあまりにも優しくて、ついまた泣きそうになる。
『神楽ちゃん、新八くん……みんな……
ありがとうございます』
ごめんね、じゃない。
私を心配してくれた、私を想っててくれた、
そんなみんなに今はただ感謝の言葉を。
後ろで壁に寄りかかっている銀時さんを見つめれば、昨日の言葉を甦らせる。
“あとはAがどうしたいか、だな”
どうしたい?
そう、私……
私は……
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月夜の光(プロフ) - SARAさん» コメントありがとうございます!遅くなり申し訳ありません!読んでくれて嬉しいです!カメ更新ですが、よろしくお願いします! (1月8日 20時) (レス) id: 26850a1960 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の光(プロフ) - 寝子/猫さん» コメントありがとうございます!!遅くなり申し訳ありません!うぶな神威くんの行き着く先を一緒に見守ってください! (1月8日 20時) (レス) id: 26850a1960 (このIDを非表示/違反報告)
SARA(プロフ) - 1日で読み終わっちゃいました!大好きです♡更新またあるといいなあ… (10月1日 16時) (レス) @page5 id: 000b3a28d3 (このIDを非表示/違反報告)
寝子/猫 - 恋にうぶなかむいくん尊い (8月26日 1時) (レス) @page5 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜の光 | 作成日時:2023年8月6日 14時