検索窓
今日:12 hit、昨日:4 hit、合計:6,826 hit

第99話 心配 ページ4






『ご迷惑をおかけして、本当にすみませんでした』


深々と頭を下げれば、上からは軽快な笑い声が聞こえる。この場面に似合わない様子に恐る恐る顔を上げる。



「Aに何もなきゃ、それだけでいいんだよ。

いつもAばっかりに頼ってる女たちも、
これに懲りて、少しは自分でやるようになるだろ? 」



迷惑をかけたのに、女将さんは私を咎めない。
無断欠勤したのに理由も聞かず、むしろ心配してくれる。すると、後ろから猛スピードで現れたのは、



「Aのバカ! 心配させないでよ! 」



雅だった。彼女の方が安静にしてなきゃいけないのに、お構いなしに私を精一杯の力で抱きしめる。



『雅も、ごめんね。体は大丈夫? 』

「とっくに退院してるっつーの! 」



怒ったように頬を引っ張ってくるけど、顔は涙でいっぱいだ。そんな雅の怒ったり、泣いたり、くるくる変わる表情につい笑みが溢れる。



「明日には退院できるんだろ?

しばらくは休みな。店のことは心配しないで」



そう言ってくれた女将さんの言葉に素直に頷くが、夢でみた二人がふいに頭をよぎる。




違う、これが現実で、あれは夢。

言い聞かせ深く息をついた時だ。





「A姉‼︎ 」
「A」





勢いよく晴太くんが病室に飛び込んでくる。
鼻水を垂らしながら、私の腰に抱きついた。
その後ろからは車椅子に乗った日輪さんと、それを押す月詠さん。



「ゆっくり休みなよ」
「じゃあね、A」



気を遣ってくれた女将さんと雅が部屋を出る。小さく振った手をそのまま晴太くんの頭に乗せた。





第100話 決心→←第98話 大事なもの



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
158人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 神威 , 吉原   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月夜の光(プロフ) - SARAさん» コメントありがとうございます!遅くなり申し訳ありません!読んでくれて嬉しいです!カメ更新ですが、よろしくお願いします! (1月8日 20時) (レス) id: 26850a1960 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の光(プロフ) - 寝子/猫さん» コメントありがとうございます!!遅くなり申し訳ありません!うぶな神威くんの行き着く先を一緒に見守ってください! (1月8日 20時) (レス) id: 26850a1960 (このIDを非表示/違反報告)
SARA(プロフ) - 1日で読み終わっちゃいました!大好きです♡更新またあるといいなあ… (10月1日 16時) (レス) @page5 id: 000b3a28d3 (このIDを非表示/違反報告)
寝子/猫 - 恋にうぶなかむいくん尊い (8月26日 1時) (レス) @page5 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月夜の光 | 作成日時:2023年8月6日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。