第44話 じぇらしー? ページ45
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その後も2軒3軒と食事処に行き、神威さんと食事を共にした。細身の体のどこにそんなに入るんだろう……
彼のお腹を見ても膨れてない。食事をする前と何の変化もなかった。
さすがに私は3軒目では飲み物だけを頼んだ。
あたりが薄暗くなり始め、私の仕事の時間が近づいてきた。神威さんはさくら屋まで送ると言ってくれて、2人で並んで歩く。
「A、終わるのは何時」
『多分日付が変わる頃かと……』
「じゃあ、その頃にまた来る」
『いや、いいです! 』
全力で断りをいれる。そこまでしてもらう理由もない。団子屋の店員さんを襲った犯人が私を狙ってた人だとしたら、事件は解決。私はもう誰にも狙われない。その旨を伝えても、神威さんも引かない。
『それに、もう犯人捕まったみたいですし』
「……残念だけど、さっき団子屋の客が話してた犯人は、俺の言った本命じゃないよ」
『え、』
そこへ電子音が鳴り響く。私の携帯電話ではないと首を横に振れば、神威さんは自分の服をゴソゴソ漁り始めた。
「もしもし? あぁ、阿伏兎。
……それ今日じゃなきゃダメなの?
あー分かった分かった。すぐ行く」
あからさまに神威さんは不機嫌な声になり、乱暴に携帯電話を切る。阿伏兎さんってあの人だ。この前さくら屋にいた神威さんを団長と呼んで探してた人。
この雰囲気では、さっきの団子屋の犯人の話の続きは聞けそうにもない。
「A、」
『お、お仕事ですね。行ってきて下さい』
団長って呼ばれてたくらいだから、階級が高い人なんだ。そんな人にいつまでも付き合ってもらう訳にはいかない。さくら屋はもう15分歩けば着く。
「最後まで送ってけとかワガママ言わないんだね、Aは。連れ回したのは俺なのに」
A
違う。誰と比べたんだろう、なんて思うのはおかしい
こんなに端麗な顔をした人だ。女の人が寄ってこない方がおかしい。
吉原で一夜を過ごした事ももちろんあるだろう。
自分にそう言い聞かせ、神威さんにさよならと意味を込めてペコリとおじぎをしてる時だ。頭にバサリと布がかかる。
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月夜の光(プロフ) - ありちゃんさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです(;o;)もっと上手に表現できるように頑張ります!ありがとうございます! (2021年2月28日 15時) (レス) id: e8dd5af318 (このIDを非表示/違反報告)
ありちゃん(プロフ) - 月夜の光さんの神威が好きすぎて他の作品見れなくなりそうです!!キュンキュンします(^^)更新楽しみにしてます (2021年2月27日 20時) (レス) id: 15fe9d02c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜の光 | 作成日時:2021年1月2日 22時