第11話 ウサギお面 ページ12
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「おや、万事屋さんと」
「Aじゃないか」
歩みを進めていくと、小さなやぐらを見つける。
その上には百華の人達が数名登り、街の様子を監視しているようだ。
そのすぐ下に救護班と書かれた白いテント。
その近くの屋台で銀時さんとかき氷を買っていると、
声をかけられた。
「どーも、先生」
『女将さん! 』
少し消毒液の匂いがする。
中を覗くとそこには新井先生と
さくら屋の女将さんがいた。
水を飲みながら、うちわでパタパタと顔をあおいでいる。
『大丈夫ですか? 』
「この人混みと、この暑さだろう。
気分悪くなっちゃって。新井先生がいて助かったよ」
そういえば、女将さんは近所の人たちと
お祭りに来るって言ってた事を思い出す。
「こんな時にも仕事なんて、先生働き者だねぇ」
銀時さんはやれやれとため息をつく。
街の治安を守る為、月詠さんも警備は百華が、
怪我人などの対応は医者である先生に頼んだと
言っていた。
「2人は仲良くデートかい」
ニヤニヤしながら女将さんが聞いてくる。
デート、なんて私には無縁な言葉だった。
銀時さんに申し訳なくてすぐさま否定する。
『ち、違います!
銀時さんは一緒にまわってくれてるだけです』
恥ずかしくて、あははっと乾いた笑いを浮かべる。
隣をみると、銀時さんはなぜか少し落ち込んでいた。
「銀さん、頑張んな」
「人の気もしらねーで……まぁいいよ」
『っ! 』
手に持ったかき氷を落としそうになる。
軽く私にデコピンをして微笑む銀時さん。
「Aさん良ければこれ差し上げます」
先生はニコリと笑うと何かを私に渡してくる。
手に持っていたのは可愛らしいウサギのお面だ。
「先ほど怪我した子にお礼でもらったんですけど、
私には可愛いすぎて、似合いませんから」
『いいんですか。
ありがとうございます、先生』
お礼をつげ、テントを後にする。
「うちにいるウサギも、
そんくらい可愛いげがあればいいんだけどな」
早速頭につけたウサギのお面をコンコンと
ノックした銀時さんは呟く。
すぐに誰のことかわかった。
『神楽ちゃんですか? 』
「あぁ、こんな食べ物が並ぶ祭りなんて連れて行ったら、俺の財布が泣く」
「だから今日の祭りのこと、
教えてくれなかったアルか」
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月夜の光(プロフ) - ありちゃんさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです(;o;)もっと上手に表現できるように頑張ります!ありがとうございます! (2021年2月28日 15時) (レス) id: e8dd5af318 (このIDを非表示/違反報告)
ありちゃん(プロフ) - 月夜の光さんの神威が好きすぎて他の作品見れなくなりそうです!!キュンキュンします(^^)更新楽しみにしてます (2021年2月27日 20時) (レス) id: 15fe9d02c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜の光 | 作成日時:2021年1月2日 22時