【d!】星空を観に行こう (ページ4)

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Twinkle / tn ページ4

『あ、トントンこっち！』
「すまんすまん、待ったか？」
『ううん大丈夫、早くいこう！』

そういい、彼の大きな手に自分の手を絡めた。

彼はトントン、付き合って今日で三年目。
建築の仕事をしてるらしく、がっしりと逞しい腕は男らしくて好き。
女の子と付き合うのが初めてらしく、ぴとりと胸を腕に付けると顔が赤くなるのも可愛くて好き。

「いらっしゃいませ。」

記念日だからと頑張って予約してくれたフレンチ。予想より豪華でつい立ち止まってしまった。
手を引っ張られてトントンに着いていくと、夜景の見える窓際の席に案内される。

『トントン、ここ凄いね。私初めてだよこういうところ。』
「俺やって初めてやで…。」
『夜景もめっちゃ綺麗…！』
「おん…そうやな…。」

優しく微笑むトントンは、珍しくジャケットを着ているせいかいつもより格好いい。
幸せだ。何よりこんな素敵な人と付き合えていることが幸せだ。

あらかじめ決めてあったらしい料理を頼み、前菜とお酒が運ばれてきた。

『じゃあ、乾杯しよっか。』
「そやな。三年間ありがとう。」
『そしてこれからもよろしくね。』

コツン、軽くグラスをあてて一口のむ。
シャンパンの甘さとアルコールが、自然と口を開かせる。

『今日も仕事だったんだよね、お疲れ様。どうだった？』
「はは、今日もコネシマが遊んどって大変やったわ。」
『コネシマさんって、同僚さんだよね？』
「そや、バイトやないのにいつの間にか別のところにいって遊んどる奴。」
『…ユニークな人だね。』
「悪い奴やないんやけどな。」

テレビでしか見たことの無い、キラキラした料理。一口食べただけで頬っぺたが落ちる料理がどんどん運ばれてくる。

箸が進みお酒も進んでも、トントンはずっとコネシマさんについて喋っている。

「あいつはなぁ、親の愛がなぁ、」
『…ん、』
「ん？どうした？」
『ん？あぁ、なんでもないよ！』

最初に仕事の話を振ったのは私なんだけど、ここまでコネシマさんの話が長くなると面白くない。
今日は私たちの記念日じゃん。
私たちの話がしたいよ。

「日雇いさんたちにもよう絡むんよ、しかも大声で！日雇いさんビビってるのに容赦なく突っ込むんよ、すごい男や。」
『そうだね、』
「…？」

。