【d!】星空を観に行こう (ページ24)

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牡牛座ページ24

ぼんやりとまどろんでいく意識の中、隣に寝転がる彼を見る。
栗色の猫っ毛がサラサラと彼の顔に落ちていく。
じくじくと疼く傷跡を眺めながら、ぼんやりと思考する。

ここ最近ずっと死にたがりが加速している。
そんな私を彼が心配してそばにいてくれるのに、私の心はというもの晴れない。
優しく私を受け止めて、頭を撫でてくれる彼は、こんな私に着き合わせてしまって申し訳ない。
きっと私に関わることがなければ幸せになれるのに、どうして私に関わってしまうのか。

申し訳ないな……と思っているのに彼を拒むことはできない。
ぎゅ、と固く結んだ唇から血が滲む。彼の人生を奪っている後悔と、情けなさが身を包む。
涙がこぼれていくのを感じていると隣の彼が目を覚ました。

「Aさん……また眠れないんすか」

「……そんなことないよ」

「あるんすね……」

やんわりと私の身体が抱きしめられる。外の暗さと明るい光が彼によって遮断された。

「……安心してください。Aさん、俺は貴方が好きだからこうやってるんです。迷惑なんてしないんで。
俺が……ちゃんと幸せにしますから、後悔させませんから。だから、付き合ってくださいよ。
そうしたらもっと幸せにできる、不安すら取り除いて上げれる。
……俺の、彼女になってくださいよ」

そういわれる言葉に返すことが出来ない。絶対に後悔させてしまう。
ふるふると腕の中で拒否すれば、更に拒否を重ねられるかのように強く抱きしめられる。

「怖いことも、楽しいことも、嫌なことも、全部受け止めます、分け合いましょうよ。
……貴方がどのように生きてきたかも、つらい思いをしてきたかも俺には分からないことが多いです。
けど貴方のためになりたい。貴方が好きなんです、愛してるんです。
……言い方悪いけど、俺のもんになってください。」

心をほだされるような言葉。それを受けて私はどうしようもなくなる。
髪を掬われ、そこに口づけを落とされたら言い出すことも出来なくなるような感覚に襲われる。
じんわりと心が熱くなっていく感覚に襲われる。

「返事……頂けますか？」

その言葉に私はこくりと頷いていた。
彼の腕から離され、光が目に飛び込んでくる。彼が掛ける陰に安心感を覚えながら目をつむった。