【d!】星空を観に行こう (ページ1)

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Lilii Borea/gr ページ1

その日は雨が降っていた。

いや、正確に言うと元は晴天だった空に俺の気持ちを代弁するかのように雨が降ってきた。

gr「な…んで、」

ザーザーと流れる雨が俺を濡らす。

俺達の国はその日、この先の命運を分けるであろう大国との戦争をしていた。兵力差は5000。こちらの方が少ない。正直五分五分と言ったところだろうか。
勿論国としても俺としても誰一人失いたくないというのが考えではあるが戦争においてそのような生ぬるいことを言っていては先に進まない。

『…らしくないですね。総統閣下』

gr「…グルッペン」

『あら、そうでしたわ。グルッペン様』

戦場にはつい最近婚約したAも着いてきていた。

グリューリネ王国の第3王女として生を受けた彼女は王の手の内でぬくぬくと育ってきたと思っていた。しかしどうやらお転婆姫だったらしく隠れて執事や軍団長達から色々なことを習得していたらしい。Aは得意の剣術や体術をトントンやコネシマに見せつけて本当は危ない目に遭わせたくないため城に残るように言ったのがだ、ここまで着いてきていた。

彼女との結婚はお見合いではあったもののそれなりに恋愛感情を抱いている。風に揺れるそのブロンドヘアはストレート。目はよくターコイズブルーと呼ばれる緑がかった青をしている。絶世の美女だとか傾国の姫だと言われることは無いかもしれないが美しいと思っている。

俺と彼女が見つめる先には戦場があった。もうすぐ前線が敵と遭遇するであろうと言う時だ。俺の隣にはトントンとオスマンもたっている。

『いよいよ、始まりますわね。』

gr「今からでも遅くはない。帰って文官たちと一緒にいた方が…」

『いーえ、この先あなたの妻となるのならこれぐらいの試練乗り越えなければなりませんもの。』

Aはパチリとウインクしてきた。