青春 ページ5
〈雄登サイド〉
部活が終わり、空がオレンジに染まってきた頃。
「先輩お疲れ様です！」
パチッとした目、笑う度見える八重歯。可愛くて、明るくて、努力家で。皆に好かれてるA。
一つ下で俺ら野球部のマネージャーをやってる。
雄登「まだ帰らないの？」
「はい！ボールを磨いてから帰ります。」
雄登「そっか。俺も手伝うよ。」
「いいですよ。早く家に帰って疲れとってください。」
Aと一緒に居られたら疲れなんて吹き飛ぶっつーの。
雄登「1人じゃ大変でしょ？」
野球部は人数が多いから、マネージャーも3人はいるはず。だけど、A以外の2人はいつも先に帰ってる。だから、必然的にAは遅くまでボール磨きをしなくてはならない。
「大丈夫です。こう見えて、ボールを磨くプロなんで！」
雄登「そっか。ねぇ、ボール貸して？」
今までの会話が無かったかのようにAの隣に座る。
「雄登先輩、ほんとにいいんですか？」
雄登「もちろん。」
「ありがとうございます。」
ほら、そうやってニコッて笑うから、もっと好きになっちゃう。
雄登「ね、好きな人はいるの？」
「えー///カッコイイなって思ってる人は居ます。」
雄登「そうなんだぁ。青春だね。」
「先輩はどうなんですか？彼女さんどんな人なんですか？」
雄登「彼女？居ないよ〜。あ？でもね、好きな人はいるよ。」
「彼女居ないんですか？意外です。先輩も青春ですね。応援してますよ！」
違う違う。俺が好きなのはお前。応援されちゃ困るよ。
雄登「でもね、相手気づいてないかもしれない。そばに居るのにね。」
「そうなんですか。もう思いを伝えたんですか？」
雄登「まだ。」
「雄登先輩は、完璧なので大丈夫ですよ。振る人なんて居ないんじゃないですか？」
雄登「ほんとに？」
「はい！」
雄登「じゃあさ、俺と付き合って。」
「ヘっ？」
雄登「ずっと好きだった。」
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作者名：瑳紅羅 | 作成日時：2019年2月9日 15時
