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胡蝶は少し黙り込んだ。
こいつも親と姉を殺されてるのでこの隊員と同じ境遇の持ち主だ。
思うところがあるのだろう。
「……きっと宇隨さんにそう言われなくとも鬼殺隊に入っているのではないですか。
……………もしAさんが昔の助けた少女だとして、鬼への憎しみが強かったら同じ結果になっていたはずです。
それに……実際この子は死んでいないじゃないですか。目が覚めたら、確認しましょう」
鬼への憎しみ図り切れるものじゃない。
いくら大切な仲間を、家族を殺されようと人それぞれ多大な憎しみがある。
………なあ、お前あの時の少女か………?
お前はその憎しみでここまで来たのか…?
本来ならきっといい旦那さん見つけて幸せに暮らしていただろうに。
……俺があの時もっとはやく着いていなくてごめん。
今回ももっとはやく着いていなくてごめん。
お前の家族も左目も………守れたものだったのに。
いつの間にか部屋から胡蝶は消えていて。
俺は綺麗に畳まれた羽織を握り締めることしか出来なかった。
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作者名:もね | 作成日時:2021年1月23日 22時