守りたい背中【男主】 (ページ23)

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必要な存在4 ページ23

2人は仲良く俺たちの真ん前で
ピタッと立ち止まって

「「タピオカ行きましょう！」」

と唐突に言うのであった。

「「タピオカ??」」

俺と祐希が綺麗にハモった。

そんな俺たちの言葉に、うんうんと
ものっすごい笑顔で頷く、ちーと有志。

"タピオカ"って、たぶん今巷で話題の
"タピオカミルクティー"のことだよな?

たまに見かけるタピオカのお店はどこも行列で。
しかも並んでいるのは女の人ばっかり。

そんな所に行くのか?
男4人で??

考えただけでも疲れるんだが…。

祐希の方をチラリと見ると、彼もあまり
乗り気ではなさそう。

そんな俺たちの気持ちを察したのか
目の前の2人は矢継ぎ早に喋りだす。

「有志がまたスタパに誘ってきてさ、
俺もうスタパ飽きてんもん！」

「ほんなら今流行っとるタピオカ行こうって
なったんす！」

「「あかん…?」」

最後の一言を完璧にハモらせてきた。

その2人の顔は捨てられた犬が拾って欲しそうに
こちらを見ているようで…。

俺と祐希は同時に小さく息を吐いて

「「仕方ないなあ…」」

とタピオカ行きを渋々承諾したのだった。

つくづく俺たち2人は、この末っ子たちに
甘いと思った。

でも、それでもいいと思った。

うんと甘やかして、うんと羽を伸ばして
やりたいことをして、どんどん成長していけばいい。

大丈夫。

道から逸れるような事があれば
真っ先に正してあげる。

道に迷ったら、1番に支えてあげる。
導いてあげる。照らしてあげる。

だからどうか、安心して。

自分が信じる道を進み続けてくれ。