〜23話〜 ページ26
亮介くんの、私へのお説教が終わり、
一段落したところで自己紹介が始まった。
野球部の新部員は、倉持洋一くんと御幸一也くんだ。
あのときの人は倉持くんで、改めてお礼を言った。
私たちも自己紹介をしたところで、
昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴った。
このあとは音楽だ。
今までも何回かあったけれど、亮介くんにはバレていない。
貴子には話したけれど。
合唱祭のソロなんて、私には絶対無理だ。
だけど、今日、私の願いは破壊されるのである________。
先「今日は、突然ですが歌唱力テストをします。」
皆が一斉にブーイングを起こす。
私は、声をあげる気にもなれなかった。
この先生は、突然のテストで1人ずつ歌わせることで有名だ。
しかも、この時期に行うということは合唱祭に関係あるに決まっている。
出席番号順にやるらしいから、私は最初の方だ。
私の2人後ろには亮介くんがいる。
歌うのは、校歌の1番だ。
私の番が来た。仕方ないから、いつも通り歌う。
本気で歌うでもなく、音痴を意識したわけでもない。
それなのに、私は失敗したらしい。
____________上手く歌いすぎてしまった。
先生はいつもの2倍の笑顔だし、
皆は口々に「上手すぎ」「すげー」などと言っている。
私は、思わず貴子に助けを求めた。
が、驚く様子もなく、ニコニコして私を見ている。
先「如月さん、歌上手いのね。」
皆が頷く。私は、緊張して何も答えられない。
合唱祭のソロは、1週間後にあるクラスでの話し合いで決まる。
今日の音楽は、テストだけで終わり、先生の評価の時間もなかった。
音楽が終わると、貴子が近くに寄ってきた。
藤「A、合唱祭のソロは決まりね。」
貴「い、嫌だよ。き、き、緊張して歌えないよ...。」
藤「大丈夫よ、本当に上手だから。」
貴子は優しく微笑んでくれる。
藤「あとは曲ね。Aの得意な曲とかあるの?」
私は、答えられなかった。
本当は、“暁”の曲だと言いたかった。
だけど、言えなかったんだ。貴子に心配させたくなかったから。
言ったら、余計に気を使わせる気がした。
藤「A...。もし良かったら、電話でも何でもしてね。聞くから。」
それだけ言って、自分の席に戻っていった。
貴子は、聞いてほしくないときは深く聞かずに1人にしてくれる。
そんなところも大好きだ。
そんなことを考えている私を、
静かに見守ってくれる亮介くんには気づかなかった。
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*ももか(プロフ) - (名前)望花さん» 混乱させてしまったならすみません!これは、私が勝手に作った亮さんたちが2年生の頃のお話なんです!だから、まだ倉持は1年生だから試合に出てない設定でよろしくお願いします!! (2019年6月7日 22時) (レス) id: e5790203c3 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)望花(プロフ) - 1番は倉持ですよ〜 (2019年6月4日 23時) (レス) id: f5c4d2c0f7 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)望花(プロフ) - 2番セカンド小湊亮介ですよ(*`・ω・)ゞ (2019年6月4日 23時) (レス) id: f5c4d2c0f7 (このIDを非表示/違反報告)
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