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「っそ、そんな急に言われても……それに、私の方が歳上だし、呼び捨てにしないでよ」
何だか舐められている気がして呼び捨ては辞めるように、と昔彼の事を叱っていた時のように言ったけれど、果たして効果はあるのだろうか。
まぁそれは良いとして、確かにセンラくんは私によく懐いていたけど。でも、こんな事を言い出すなんて、想像もしていなかった。
一応彼は教え子だし、歳が離れているからという事で私は断る返事を出そうとしたが、その前に発言したのは彼の方だった。思わず口に出そうとしていた言葉を飲み込んでしまう。
「ふふ、コールドスリープに入った者は歳を取らないからって、法律でもスリープに入った人はその間歳を取らずにその後もその年齢のまま生きるって決まってんねん」
「えっ」
「センセーの場合あの時も今も24歳なんは変わらんの。因みに俺は今28歳やから、まぁ早い話俺のが歳上やで」
「はぁ？！」
そう言った嬉しそうなニコニコ笑顔の彼に腕を引かれて、私はいつの間にか彼の家に押し込められていた。
そして、病院で着ていた服はスリープ専用の素材で出来たものだから抱き心地が悪いと言って何故か服を無遠慮に脱がされ、抵抗したら両手を取られて押し倒されて……とかなりやばい状況に立たされる。
なんで？！私が何をしたの？！
「Aに似合うと思って今日の為にいーっぱい服買ってきててん。まぁまずは軽めにワンピースでも着ような？」
「え、ちょ、待って待って、なんで下着まで脱がそうとするの？！」
「え？だって、後でどうせ全部脱がしてベッドインして朝まで愛し合う予定やから別にええかなーって」
「どんな予定よ！」
抗議するもののやめてはくれなかったので全力で抵抗するが、両腕は完全に固定されてしまったので足をバタバタと動かす事しか出来なかった。
徐々に貞操の危機を感じ始めた私は、顔を引き攣らせて彼にお願い、離してと懇願する。
「いや本当に冗談じゃなくなってきてるから！」
「冗談やないし、そもそも俺以外にA頼る人居るん？」
「うっ……い、居ない、けど……で、でも！」
「なんかそこまで嫌がられると傷付くんやけど？……まぁええわ、じゃあAがこれの空いてる欄にサインしてくれれば離したるよ」
「サインって……それ婚姻届じゃん！」
「嫌なら今から襲っちゃおー」
「わ、わかった書くから！！書くから退いて！！」
______背景両親へ、何故か目が覚めたら自分よりも歳上になった彼と結婚する事になりました。
何も返せなかった親不孝な娘でも、天国から見守ってくれますか？
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