風邪引きの日 ページ41
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気を失ったように眠りについていたようで気が付くと既に時計は30分が経ったことを示していた。思い体をなんとか起こすと頭もズキズキと痛んだ
横に放り出された携帯には、「天才リーダー さんから着信3件」の文字。もちろんこの馬鹿げた名前はバカリーダー本人が登録したものだけど、調子の悪さのせいでちょっとしたそれにも気にならない位だ
焦って私に電話を掛けるてつやを想像すると少しだけ申し訳なくなる。彼は、というか東海オンエアメンバーは少々過保護すぎる部分があるのだ、皆はクラブに行ったり女の子と遊んだりするくせに私が少し一人で名古屋に行くというと狭い感覚で電話かLINEが来るし酷い時だと一緒に付いてきたりもする。
みんな私のことを舐めすぎなのだ。
「いきてる!?ぶじ!?」という頭の悪そうなメッセージがタイミング良く来て「御迷惑おかけします」と猫が頭を下げているスタンプを送ると、すぐ様既読が付いて気味の悪い絵が踊っているスタンプが送られてきた、なんでそんなスタンプ買ったんだ、キモいぞ。
暫くボーッと天井を眺めていると、思考停止した脳を震わせるように聞きなれたインターホンが鳴った。 りょうかな、となんとか壁を伝って玄関の扉の鍵を勢いで開ける。
『え、っあ、』
「よ」
『...てっきりりょうかと』
「、僕じゃ不服ですかお姫様」
『...いいえ』
両手にコンビニの袋をかかえてそこに立っていたのは、としみつ。フードを被っていて「バレちゃうからとりあえずお邪魔します」と半ば強引に私の家に入った。
「本当に具合悪そうだね、」
とりあえず、立っているのも辛くてベットに座るととしみつは私の前でしゃがんで顔を覗き込んだ。
『ん、ごめん』
「いや、昨日飲みすぎたしな」
『...としみつも具合わるい...?』
「俺は大丈夫」
とりあえず寝ときな、とコンビニの袋の中から冷えピタを取り出して器用に私の額に貼ってくれた。ゾワっと寒気で震えた私を見て彼は少し笑った。
そういえば昨日、今日はとしみつは一日編集の日だと言っていた。こんな所で私のお世話をしている場合では無いのだろうか
『編集の日でしょ、私、大丈夫だよ』
袋の中をゴソゴソとしていたとしみつがその手を止めてこちらを向いた。
「何が大丈夫なんだよ説得力無さすぎ」
『いや、でもさ、編集しなきゃ』
「いいから、おやすみ」
私の発言を強引に押し切って 掛け布団を私の上に優しくかけた。
眠りにつくのは簡単だった
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まりこ - 移行まだですかー!笑笑 ずっとまってます… (2019年3月12日 2時) (レス) id: 433cc2ff51 (このIDを非表示/違反報告)
タルヒ(プロフ) - このゆったりとした雰囲気すごく好きです!主人公が謙虚なのも好感!更新楽しみです。頑張って下さい! (2018年12月23日 10時) (レス) id: d9b43e6eea (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - コメント失礼します!続編ありがとうございます!とても楽しみにしてました^ ^ (2018年12月9日 0時) (レス) id: 3c35cfd113 (このIDを非表示/違反報告)
みずれ - コメント失礼します!いつも楽しく読ませていただいています。そして、あっていたらすみませんが、「私たちの高校時代」のお話で、てつやの元カレになってしまっています。m(__)mあっていたらすみません!これからも更新楽しみにしています! (2018年9月30日 12時) (レス) id: a68df7c0fe (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 初コメ失礼します!とても面白くきつもキュンキュンさせてもらっています!(小並感)これからも更新楽しみに待っています! (2018年8月28日 17時) (レス) id: 07dc2dc5de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぁちゃる | 作成日時:2018年7月20日 23時