十七話 ページ18
「お兄ちゃあん！出てきてお兄ちゃん！」
叩き起され何だと思えば、目を腫らしたAの姿があった。
「久しいじゃねぇかあぁ…元気してたかぁ」
「ぎゅーたろ！」
頭を撫でると、弾けるような笑顔を向ける。
「泣いてたのかぁあ？目が腫れてるなぁ」
「誰かにいじめられたのかぁあ…？」
「……」
頬を膨らませると、Aは懐から緑色の硝子玉を手渡した。
「お兄ちゃん！それAがくれるんだって！」
「綺麗だなぁあ…ありがとなあ…お前優しいなぁ」
頭を撫で回すと床に転がり楽しそうな声で笑う。
その様子は小さい頃の妹と似ていた。
「ぎゅーたろ！だき！あそぼ！」
ひときしり笑った後、Aは手を伸ばしぴょんぴょんと跳ねる。
「悪ぃなぁあ…俺達はもう外に帰らないとならねぇんだよなぁ」
「なんで！なんで！」
「そうよお兄ちゃん！久しぶりに会ったんだからもうちょっと位…」
「お前ら2人は姉妹みてぇだなぁあ」
すると2人は顔を見合わせ、勢いよく抱きつく。
「アタシ達姉妹みたいだってA！」
「だき、おねーちゃん！」
「もう！可愛いじゃないの！」
キャーキャーと騒ぎながら戯れる姿は微笑ましい
「そう言えば、アンタあの御方と喧嘩したの？」
「おとうさんきらい！って叫んでたじゃない」
Aは頬を膨らまし俯くと、黙りこんでしまう。
「それはよくねぇなぁあ…仲直りしないとなぁ…」
「やだぁ！」
顔を背けるAの前に屈むと、小指を突き出す。
「じゃあ次会う時までに仲直りすることだなぁあ」
「約束だなぁ」
Aは俺の指を握ると、目に涙を溜める。
「できるわよA！アタシとお兄ちゃんが何回仲直りしてきたと思ってんのよ！」
妹がAの頬に口吸いをすると、琵琶鬼が何処からか現れる。
「もう俺達は帰らねぇとなぁあ…」
「じゃあねA！次はアンタにお気に入りの紅塗ってあげる！最新の可愛い色なのよ！」
「元気でなぁあ。たまにはこっちにも来いよなぁ」
「だき！ぎゅーたろ！」
Aは小さな足で駆け寄ると、俺と妹を抱きしめた。
「げんきでね！」
「もちろんよ！アタシ達強いもん！ね？お兄ちゃん」
「あぁ。お前こそ元気でなぁあ」
Aを抱き締め返すと共に、俺達の身体は遊郭へと飛ばされた。
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(ねこたん ・∇・ - 「私を見下せたのがそんなに嬉しいか」にツボってます(( (2月25日 21時) (
レス) @page4 id: f02fa02e3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 無惨と夢主が微笑ましすぎてつらい、気付かないうちに口角が釣り上がってしまいました！ (2月18日 23時) (レス) @page43 id: e2553842fc (このIDを非表示/違反報告)
黒蝶(プロフ) - 皇帝の一人娘みたいな感じがあって好き (2022年8月9日 19時) (レス) @page5 id: 59c4260589 (このIDを非表示/違反報告)
おむれつ(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» 鬼滅の刃の漫画を拝読させていただいた際に鬼舞辻無惨が自らがいる場(無限城や遊郭など)では名を呼ばれても呪いを発動していないシーンが見受けられましたので、本作もそのようにさせ頂きました (2022年2月16日 21時) (レス) id: b911301b3c (このIDを非表示/違反報告)
おむれつ(プロフ) - 星さん» ありがとうございます！返信遅れてしまい誠に申し訳ありませんでした！これからも頑張って更新させていただきますので何卒よろしくお願いします！ (2022年2月16日 21時) (レス) id: b911301b3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もきゅもきゅ | 作者ホームページ：http://mokyumokyuuu
作成日時：2019年12月27日 21時
