三章 ページ3
「乱歩さんっ、あれ!あれ見てください」
ラムネ飲みたい駄々っ子になった乱歩さんの気を紛らわすべく、適当に身近な物を指差す。
乱歩さんが目を向けた先には、お星様の形で笑顔をたたえた、謎すぎるオブジェだった。
「……………あれがどうしたの?」
「えっ⁉だからその………芸術的作品だと思いません⁉」
思わず口走った言葉に、乱歩さんの顔に疑問符が浮かぶ。
うわああぁ、乱歩さん〜、本当は芸術的作品とか思ってませんからねぇ〜………。
「ラムネ!飲みたい!」
しばらく疑問符に染まっていた乱歩さんの表情は、すぐに活気を取り戻す。
あー、えっと、
「乱歩さん、あれっ!」
またまた適当に指差す。
乱歩さんが視線を向けた先にあったのは………
クレープ屋さんだった。
「食べたくないですか⁉食べたいですよね⁉クレープ‼」
「え、あ、うん」
強気に云い切った私に、乱歩さんが目を白黒させながら頷く。
ガッツポーズをしかけたけれども、慌てて乱歩さんをクレープ屋さんまで引っ張っていった。
「美味しー!」
チョコバナナクレープ片手に満足そうな顔をした私を、乱歩さんはまじまじと見つめていた。
やがて何かに納得したように頷き、立ち上がって行ってしまう。
「あ、乱歩さんー?」
呼び止めたけれど、乱歩さんは振り返る事なく行ってしまった。
乱歩さんが云い残した言葉。
ー『うん、もういいかな』
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たろ。(プロフ) - 最高 (2022年4月16日 13時) (レス) @page16 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
茉里 - ありがとうございます!続編もどうぞよろしくお願いします!できるだけ早く更新しようと思っているので……… (2019年6月5日 6時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - 続編おめでとう! (2019年6月5日 6時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉里 | 作成日時:2019年6月4日 18時