【REBORN!】少女、転生す。[リング編･３] (ページ41)

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｢痛っ……！｣

｢っ、う……これは…｣

思わずふたり揃って意味もなく、リストバンドを装着した腕を押さえた。

＜ただいま、守護者全員にリストバンドに内蔵されていた毒が注入されました＞

腕の中に熱いなにかが入ってきた感覚がしたのと同時に、さらに熱と痛みが増した。

突如、身体が言うことを聞かなくなったかのように、私たちはその場で倒れ込む。

｢はぁ…っ、はぁ……っ、ぐ……！｣

苦しい、呼吸が上手く出来ない……！

＜『デスヒーター』と呼ばれるこの毒は瞬時に神経を麻痺させ立つことすら困難にします。
そして全身を貫く燃えるような痛みは徐々に増していき、30分で────絶命します＞

＜ど……どういうことだよ！
大空戦なのに、なんで皆がこんな目に！＞

＜大空であるボスの使命だからです。
晴･雷･嵐･雨･霧･雲･雹、すべてに染まりつつすべてを飲み込み包容することが大空の使命＞

＜守護者全員の命がボスの手に委ねられる戦い。
それが大空戦なのです＞

｢……っ｣

身体が内側から熱に侵され、頭が回らなくて、沢田とチェルベッロの会話は半分程度しか耳に通らなかった。

ズルズルと這うように動き、箱にうつ伏せになってから左腕で上半身を支えて液晶パネルに向き合う。

｢……っ、なにを、する……つもりで｣

｢チェルベッロの話を聞いてなかったの｣

息が絶え絶えになっているクラウディオに早口で罵る。

気を強く持たないと、死に対する不安に押し潰されそうになる。

大丈夫、私は死なない。

生きて必ず家に帰る。

……たとえ誰も帰りを待っていなくても。