【REBORN!】少女、転生す。[リング編･３] (ページ30)

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｢ねぇ、君｣

｢……！｣

大空戦まで残り1日。

退院をした私はいつも通りに学校へ来ていた。

持病で入院していたといえばクラスメイトや先生を欺く必要もなく、普段通りに過ごしていた。

｢杠さん｣

｢……草壁さん。
なにか用ですか｣

けれど、やはり日常は容易く壊される。

｢申し訳ありませんが……至急、屋上へ来て頂けますか｣

彼らの手によって。

有無を言わせない言い方に頷くことしかできなかった私は。

何故か今、雲雀さんにトンファーを突き付けられている。

……草壁さんが申し訳なさそうにしていた理由がわかった気がする。

｢……｣

けれど、ここで下手に口を出しても、いたぶられるのは目に見えている。

静かに彼が口を開くのを待った。

────待っていたのだけれど。

ヒュンッ！

｢！｣

トンファーの先から鎖が飛んできて、私は慌てて身を屈めた。

後ろからガッとコンクリートが砕ける音がした。

……この流れは、まさか……

｢考えてる余裕あるの？｣

｢ぐっ！｣

トンファーでお腹を殴られ、その勢いでフェンスに背中をぶつけた。

痛い。

わかってはいたけれど……病み上がりの身体じゃ、追い付けない……！

受け身も取れず、ぶつかった拍子に口を噛んで出てしまった血が顎をつたう。

とにかく、武器を持ってない私は彼から逃げることしかできなかった。

それが余計、彼を苛立たせるようで。

｢なんで反撃しないの｣

｢うっ！｣

痛い。

トンファーを受け止めただけで、骨が折れそう……！

｢……つまらないな｣

｢！｣

このままじゃ、だめだ

雲雀さんに咬み殺される以前に、このままじゃ、私の悲願は叶わない。

叶うよう努力するどころか、このままじゃ大空戦のアレで死ぬ。

否、この先ずっと弱いままじゃいつか────。