【REBORN!】少女、転生す。[リング編･３] (ページ25)

今日:44 hit、昨日:8 hit、合計:182,581 hit

２９９ページ25

そう思ったら即行動。

私は栄養剤の入った点滴を片手にベッドから降りてサンダルを履いた。

……今日は暖かいから、カーディガンはいらないか

かちゃかちゃと揺れる栄養剤のチューブを尻目に引き戸に手を掛け、ゆっくりと開くと。

｢うわっ！？｣

｢っ？｣

見慣れてしまった、ツンツン頭の茶髪の少年が目の前で尻餅をついた。

そして彼の顔は痛みで歪み、｢いってー！｣と情けない声を上げた。

一方の私はそれどころではない。

｢……なに、やってるの｣

｢ご、ごめん｣

｢…………謝るのは、私の方でしょ、このお馬鹿。
昨夜あんなことがあったのに、なにしに来たの？｣

本当になにしに来たのだろう、この人は。

理解出来ずに問うてみると。

｢そ、その、こっちの病院に移ったって聞いたから、お見舞いに……｣

返答はごく普通のもので、拍子抜けした。

てっきりまた目の前で怒鳴られるのかと、実はひっそり身構えていたのに。

｢Aちゃんにお、お馬鹿って言われた……。
け、けど、謝るってどういうこと……？｣

……一般病院に移ったことを彼に教えたのは誰だろう？

ディーノさんかリボーンさんか……リボーンさんが入れ知恵してディーノさんが乗っかってここまでしたと推理してみる。

教えたのは沢田だけのようだけれど、昨夜のことでこちらは気まずいのだから止めて欲しい。

いや、気まずいからこそ会って話をするべきか……とんだ荒療治だけれど、適切な判断かもしれない。

沢田がするとは思わないけれど、万が一病院(ここ)なら手を上げられてもナースコールがあるし。

……それにしても

｢さっきからどもりすぎ｣

明らかにびくびくしている彼がおかしくて、つい笑いが溢れた。

｢あ……｣

片手で打ち付けた腰を摩っていた沢田が口を開けてぽかん、とこちらを見て、私は慌てて口元に手を当てる。

｢そんなところで座ってると他の人に迷惑になるよ。
ほら、立って｣

｢あ、ごめん……ありがとう｣

誤魔化しつつ手を差し伸べると、沢田は少しはにかみながら手を握って立ち上がった。

｢別に。
………………あ｣