条.野くんはからかわれる。

風邪 ページ6

鐵「褒め言葉として言ってないんですが...」


貴『ははっ笑知ってる』


鐵「はい...？」


貴『戸惑ってるねぇ〜』


鐵「んん......」


貴『あ、なんか可愛い』


鐵「え、」





条「......『可愛い』ですか...」





鐵「ん？今条野の声がした様な、」


条「！」


貴『うっそ、気のせいじゃない？』


鐵「そうですかね、？」


条「.....」


貴『...ふふっ』


貴『そういや鐵腸くん、今時間ある？』


鐵「ありますが、」


貴『ちょっと来てくんない？』


鐵「...えぇ、もちろん」


貴『ありがと！』





条「鐵腸さんには聞こえて...？Aさんには聞こえない、ですか...」


条「それも計算の内ですかね...はぁ...ほんっとあの人は私の気持ちを弄びますね...」





鐵「其れで、用件って？」


貴『まさか気付いてないの？』


鐵「む、思いあたる節はないですが、」


貴『はぁ...天然にも程がある...』


貴『馬鹿は自分が風邪引いてることに気づかないって本当なんだね』


鐵「...俺が風邪を引いていると？」


貴『うん。絶対ね』


鐵「俺は平常です」


貴『...じゃあ熱計ってみる？』


鐵「.....」


貴『？大丈夫？』


鐵「は、い...おれは、だいじょう、ぶ...」


ﾊﾞﾀｯ


貴『！鐵腸くん！！』


貴『はぁ...ほんとばか、無理し過ぎだよ鐵腸くん...』




貴『！条野くん、丁度いい所に』


条「...どうしたんです？」


貴『鐵腸くん医務室に運ぶの手伝ってくんない...？』


条「？怪我でもしました？」


貴『風邪引いてる。それに気付かない。倒れる。です』


条「はぁ...つくづく馬鹿ですね」


貴『うんほんとだよ』


条「まぁ、分かりました。私が運びますよ」


貴『え、』


条「...なんです？」


貴『いや、君が鐵腸くんのために動くなんて珍しいと思って』


条「私をなんだと思ってるんですか」


貴『サイコ悪魔』


条「一回死んでください」





数時間後


鐵「ん...ん、ん？」


貴『！鐵腸くん...』


鐵「Aさん、？」


貴『はぁ...ばか、』


鐵「？？」


貴『心配かけさせないで...』


鐵「？？？」


鐵「何の事かはイマイチ分からんが、あなたに心配をかけてしまったのなら…謝罪する」


貴『！ははっ...お前ほんと最高に天然だね笑』


鐵「そ、そうですか...」


貴『...』



ｷﾞｭｯ



貴『ん。』


鐵「どうしたんですか、寒いとか...？」


貴『...うん、そういう事にしといて』


鐵「......承知した」

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