23.【you】 ページ23
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私はなんで今、
ジミン先輩に抱きしめられてるんだろう。
「先輩…？」
呼べば、少し腕の力が強くなった。
高校の時から優しいジミン先輩。
いつも私の気持ちを理解してくれた。
私は、引っ込み思案で、無愛想で友達が作れなくて、
遊ぶことより大好きな歌を選んで、事務所で練習ばかりしてきた。
家族と離れて、歌に成績がつき、ダンスに成績がつき、好きなこと全てに順位がついた。
順位が上がるほど、"期待"が半分、"出来て当たり前"が半分。
練習を怠るなんて怖くて出来なかった。
先輩も同じことを言ってた。
JM『A、僕もいっぱい練習するから、お互い頑張ろうね。』
ジミン先輩や、
TH『笑顔の練習してないでしょ！もっと笑って！』
『嫌です』
TH『可愛くない』
『自分が笑いたい時だけ笑います』
TH『じゃあ今がその時だと思って』
『…はい？』
テヒョン先輩がいたから、高校生活が寂しくなかったし
JA『最近、Aちゃん、楽しそうだね』
『え』
YR『うんうん。前から、何でも上手だなあって二人で見てたんだよ〜』
『…ありがとうございます』
JA『そんなかしこまんないでよ〜！笑』
YR『一緒に頑張ろうねっ』
オンニ達が近付いてきてくれて、
一緒に練習して、時にはライバルだったけど、
こうやってセンターを任されて、デビュー出来た。
だから、失くしたくない。
『オンニ達と、デビュー、したい』
JA『！』
YR『A…』
今までの時間が、
頑張って築いてきた関係が、
全て無駄だったみたいに、無くならないで欲しい。
そう思うからなのかな
ジアンオンニも、
ユラオンニも、
ジミン先輩も、
もっと頑張らないと、
いつか奪られそうで、失いそうで、怖くなった。
それが、涙として頬を流れた時、ジミン先輩に抱きしめられた。
「先輩…」
JM「あ、ごめん！」
離れたジミン先輩。
私は、手で頬を押さえるようにして、涙の跡を消す。
「すみません、泣いたりして」
JM「いや、僕の方こそ…」
「戻りますね。ありがとうございました」
ジミン先輩の顔を見ないようにして、楽屋に戻ると、テヒョン先輩はもういなくて、
オンニ達の前に行って、頭を下げた。
「オンニ、すみませんでした」
優しい二人は、何も言わずに私を抱きしめてくれた。
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作者名：Akubi | 作成日時：2022年6月30日 17時
