君は知らない。

7，へぇ ページ9

「それじゃ〜ね〜、Aちゃ〜ん」
「じゃーねー、カームく〜ん！」
オペラさんのパシりで昼ごはんを買いに行ってたらそこで仲良しのカーム君と鉢合わせした。
いやぁ偶然だなぁ。
まあ、ついさっき別れたけど。
「遅いじゃないですかAさん。」
「ひえっ」
オ、オペラさん⁉️わざわざ来たのかよ！なんかこの人神出鬼没でどっから出てくるのか分からん・・・。
「・・・で 頼んだパンは買ってきてくれました？」
「あぁハイ。どうぞ。」
袋からパンを出してオペラさんに手渡す。彼は両手の中にあるパンを見つめてふと呟くように言った。
「・・・Aさん、あの男は誰なんですか？」「あの男？」
「あなたがついさっきまで一緒に歩いてた相手ですよ。」
見てたのかよ。
「あぁ、彼はカーム君。私の“オトモダチ“です。」
「・・・へぇ、そうですか。」オペラさんは素っ気なくそれだけ言うと、ふいっと踵を返して行ってしまった。
えぇ〜なんだあの人・・・



(・・・“オトモダチ“か。)
帰路についてる途中で、オペラはふと空を見上げる。
(・・・まぁ、あの“カーム君“とやらがAさんをどう思ってるかは分かりませんが、
彼女がその“オトモダチ“と話してるだけでこんなに嫉妬してしまうとは。)
嫌な悪魔だな、私は。

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