君は知らない。

4，いじりとは 〜オペラside〜 ページ6

〜オペラside〜
無言でほうきを持つ彼女の動きがどんどん雑になる。ふふふ、何も言って来ないですが彼女今絶対怒ってますね。まあそんなAさんも可愛いのですが。・・・って後輩をいじって楽しんでいる私は、やはりドSなんでしょうか。

バリンッ‼️「きゃあ！」
あ、理事長の花瓶をAさん落とした・・・。彼女感情的になるとドジるんですよねぇ(まあ私のせいですが。)
「うへぇ〜どうしよ・・・」
「下がっててください。片付けは私がやります。怪我をされては大変ですので。」
そう言ってそそくさと破片を片付けているとその横で彼女は「な、なんで今だけくるんですかッ。だったら最初から手伝ってくださいよ！」
とツンッとそっぽを向いた。・・・可愛い。
「そうですね。すみません。」「へっ」
謝られるとは思ってなかったのかむくれ顔だった彼女の表情が一気に驚きの色を見せる。
「あなたってなんていうか、情緒不安定ですよね。使用人には常に冷静さが求められるっていうのに。罰として今日の私のお昼ご飯買ってきてもらいますから。」
「えええなんですかそれえぇぇ」

すぐに怒って、すぐに笑って、すぐに焦って。
彼女を見ていると本当に面白い。
ころころと表情が変わる彼女を見ていてなんだか笑いが込み上げた。

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