コンタミの憂鬱 ページ15
ト「コンタミさん何処行ったんだ?」
皆が辺りを見渡す。
…いや、丁度いい。私は立ち上がる。
A「私が探してこよう。」
ら「あ、俺も一緒に…」
が、私は立とうとした彼の肩を押さえ、
A「いや、コンと少し話がしたい。1人で行かせてくれ。」
そう言うと、らだおは一瞬戸惑った表情を見せたが、頷き、座った。
お「頼んだぞー。」
おいよの声に、右手で返事をして私はコンを探しに行った。
---------------
見ていた村人達に話を聞いてみると、平原に向かう彼を見たという者が多くいた。
平原をふらふら歩いていると、大きな岩の上にちょこん、と座るコンの後ろ姿を見付け、声をかける。
A「コン!何してるんだ?」
コ「あっ…」
A「え」
彼が振り向いた瞬間、私は言葉が止まった。
彼は泣いていた。
A「ちょ、なんで泣いて…!?」
コ「あは、あはは…見られちゃったなぁ。」
私があたふたと岩の元へ駆け寄ると、コンは隠すように涙を拭う。
A「一体どうしたんだ?泣くなんてお前らしくも無い。」
私が聞くと、彼は少し、空を見上げて黙ってから口を開く。
コ「ん〜、なんか俺、駄目だなぁーって。」
A「何を…言ってるんだ?今日もお前のおかげで皆治ったんだろ?お前が居なければ今頃全滅だ。」
コ「うん…そうだね。でも、大怪我してる人を治そうとすると思い出すんだ。傷だらけのダークを抱えて、泣きながら、助けてください、助けてください、って懇願するぺいんとの姿…」
コンは一度息を吸う。
コ「俺が治療に失敗して、頭を下げた時、歯を食いしばりながらやっとの思いでお礼を言ってきたぺいんとの姿。」
コンの顔が曇る。
コ「今回だって、ダークは俺を恨んでる。なんてったって、大好きな兄と彼を引き剥がしたのは紛れもなく俺…コンタミだから。」
コンがくしゃっとした笑顔で私を見る。
コ「そこに皆を巻き込んだ。なのに皆を治療すると、有難うって言われるんだ。それ、おかしくない?俺のせいでダークは村を襲ったのに。」
自分を嫌う笑顔。
…くだらない。とてもくだらない。
私は息を吐き、
A「…なんなんだお前達は。自虐癖か?ぺいんとも俺のせい俺のせいって言ってたぞ。」
コ「え…?」
A「俺のせいだから何だ?私達は仲間で、家族だろ?誰もお前を責めたりしないし、そんなこと言ってる暇があるなら鍛えろ!村に戻るぞ!」
私はコンに手を差し出した。
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黒灰白有無％(プロフ) - 約2年前から読ませて頂いているんですけど、本当によく考えられていて面白く大好きです！少し?超前ですけど合格御目出度う御座います！！又いつか続きを読める事を心よりお待ちしております。大好きな作品ですのでまた読みに来たいと思います！コメント失礼致しました！ (7月3日 11時) (
レス) @page19 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
ささみぢゃーきー - 懐かしい…昔から大好きだったくうぴいさんの作品だ…何の作品を見ても絶対に戻ってきてしまう(泣)。復帰して欲しいな、 (2020年10月17日 22時) (レス) id: 444f1853df (このIDを非表示/違反報告)
うらみんPC垢(プロフ) - ゆっくりで構いませんし、やる気がない〜ってことならそれでも構いません。くうぴいさんのペースでどうぞ。 (2020年4月1日 8時) (レス) id: 7a7d9f79ab (このIDを非表示/違反報告)
うらみんPC垢(プロフ) - くうぴいさん、覚えてますでしょうか。うらみんです。僕も今年三月に受験して、何とか第一志望校に入学する事になりました。受験が終わると(僕は)ゆっくり羽根休めしたくなりますね〜。それでも小説の更新の事が頭に浮かんで…。(個人の感想です)小説の続き、待ってます (2020年4月1日 8時) (レス) id: 7a7d9f79ab (このIDを非表示/違反報告)
米煎餅(プロフ) - 合格おめでとうございます！続きが楽しみです。 (2019年6月25日 1時) (レス) id: c378c900b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くうぴい | 作成日時：2018年12月21日 22時
