姉が結婚挨拶に日本の至宝を連れてきた【糸師冴】

プロローグ ページ1

妹の私が言っていいのか分からないが、

姉は重度のシスコンだ。



昔は家族や親戚の皆さんも姉妹仲を暖かく見守っていたが、

途中から姉の妹への溺愛っぷりが異常だと思ったのか、妹離れ出来るように私と姉を引き離した。


そのせいか、
姉は両親に指図されることを毛嫌いするようにな
り、私への愛情の大きさに拍車がかかった。




姉は外面はキリッとしていて、仕事のできる女性に見えるが、実際は優しくて愛情深いのだ。


だが、それを他人に見せることはないためなのか、
どうも恋人ができない。


姉も周りが彼氏やら結婚やら騒いでいても恋愛に対して興味すら見せない。




それを見かねた両親は合コンやお見合いなどを用意すると言ったが、それを嫌がり海外に転勤した。


私から離れるのは極度に嫌がってたのに、
どんだけ指図受けたくなかったんだ……。



だが、姉は転勤先で彼氏ができ、結婚することになったらしい。


あんなに妹離れができなかった姉が
結婚の挨拶をしに来るということになり、

我が家は、姉の結婚や孫についての話しで
始終持ちきりだった。








ついに結婚挨拶当日、姉が我が家に帰ってきた。


「妹ちゃ〜〜ん。ただいまぁ」


玄関をガラリと勢いよく開け、入ってきた姉が私に抱きつく。


普段なら、私が離して欲しいと拒否して我が家の恒例行事が始まっていたところだが、

私は姉が連れてきた人に驚きそれどころではなかった。


姉の隣には海外のお土産だと思われる物を持った
日本の至宝が立っていたからだ。

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