嫌いの裏には好きがある。 ＊うら さか＊

嫌い ページ7

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「うげぇ……今日は外回りじゃん。」


外回り。
今日はチラシを貼る作業。
ありとあらゆる所に貼らなければいけない。
だから今日は団体行動だって言ってた。

団体行動は、たまにあるけど
私はその団体行動が嫌いだ。
大嫌い。
だって……




浦「坂田ー！！」



ほら始まった。
外回りは、車での移動。

外回りは……必ず私は、うらさかとハニ先輩と行くことに決まってる。
私の席は決まって後ろの助手席の後ろ。


そこまでなら、耐えられるんだけど。



坂「出っさなきゃ負けよー、じゃんけん……」

浦「ぽん！！」



うらさかはジャンケンをしてる。
なんのジャンケンか。
それは、聞かなくても分かる。誰が私から逃れられるかだろう。

ハニ先輩は運転ができない。
そして車酔いしやすいから、助手席。
だからうらさかのどっちかが、私の隣に座らなきゃならないってわけ。


ジャンケンするくらいなら来るな！
来なくていいから！



ﾊﾆ「またやってるねー。」

「あぁ……はい。」

ﾊﾆ「うらたんもさかたんも……」

「……」




ﾊﾆ「ねぇ、Aちゃん」




ハニ先輩は笑顔。
でも……
でも、いつもと違う。
目の奥は、笑ってないような気がした。




「はい……？」





ﾊﾆ「……あんまり調子に乗らないでね？」






「…………え？」







ﾊﾆ「さかたーん！うらたーん！決まった？」



浦「おうー、きまった」

坂「隣かよ……」




どうやら、坂田さんが私の隣らしい。
嫌そうな顔をしている坂田さん。
別に……そんなに嫌がらなくたっていいじゃん。
さわらないし、
喋らないのに。

私は虚しくなりながら、
車の中へ入った。
うらたぬきさんは心配そうにミラー越しに私達の方を見ている。
……そんなに坂田さんが心配ならお前が代われや。


もう免許取ろう、免許。






そんなうらさかとハニ先輩を乗せて
そのまま車が動き始める。







……ハニ先輩のセリフは、




無かったことにして……いいよね？







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