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「……聞きたいことって何」
あれからそのまま家に連れていかれて、今は瑞稀とテーブルを挟んで向かい合わせに座っている。
家に来たのは何年ぶりだろ……
『……なんでこのまえライブ来てたの』
「あれは……」
『やっぱり俺のストーカーなんじゃないの？』
「違う！」
そんなわけないじゃん。
そもそも瑞稀がアイドルになったなんて知らなかったんだもん。
「あれはただ友達の付き添いで行っただけ。まず瑞稀がアイドルだってこと知らなかったし」
『ふーん、』
「聞きたいことってそれだけ？わたしも聞きたいことあるんだけどいい？」
『なに』
「わたしと別れたのって……アイドルになるため、？」
付き合っていた頃はすごく仲良しで周りにはラブラブなカップルで知られていた。
わたしはずっとこのまま続くんだって思っていたし、別れることなんて考えたこともなかった。
なのにある日突然わたしはフラれてしまった。
あの時は納得がいかなくて辛くて苦しくてたまらなかったのを今でもハッキリと覚えてる。
『そうだよ』
「ありえない……じゃあなんで『もうおまえに飽きたから別れたい』って言ったの……なんでアイドルになること言ってくれなかったの……？」
『それは……』
思い出しただけでも胸が苦しくなってしまう。
いつもみたいに放課後一緒にデートできるのかと思えば、校門の前で別れを告げられて泣きながら家に帰った時のこと。
アイドルになりたいって言ってくれれば素直に応援したのに……！
『ごめん……あの時は迷惑かけたくなくて言えなかった……でも傷つけちゃったよな、』
「うん。死ぬほど傷ついたよ…」
『それはほんとに悪かった……』
でも今更何を言ったって過去のことは変えられない。
受け止めるしかないんだけど……
「瑞稀はあの時、わたしのこと嫌いだった、？」
これだけは知っておきたい。
あの時、わたしだけが瑞稀のことを好きだったのかな。
瑞稀はわたしに飽きていたのかな……
『……好きだったよ』
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作者名：ｻﾘｰ。
| 作成日時：2020年3月8日 20時
