15章『希望の光』１ ページ8
「＿＿リリシア！リリシア！」
ベットに縋り付いてただただその名を呼び続けるのはヘレンだ。薄桃色の瞳から絶えず零れ落ちる涙は、真っ白なシーツにシミを残す。
「安心なさい。眠っているだけよ」
そんなヘレンを慰めるように、凛とした声が響いた。ヘレンはぎゅっと目を瞑って返事をする。
「……はい。コンラッド校長」
その返事に顔を僅かに綻ばせたコンラッドは、すぐに厳しい表情に変わってリリシアを見下ろした。
規則正しく上下するリリシアの胸。しかし顔は青白く、瞼が時折苦しげに震える。
「校長先生、どうしてあそこを？」
「良い質問です、マリー。あれだけ大きな魔力の衝突が起きれば、誰でも校内の異変に気付くでしょう。それに…」
音もなくコンラッドの後ろから現れたエッガーを見やってコンラッドは微笑む。
「エッガーがすぐに知らせてくれたわ」
「当然のことをしたまでです」
恭しく一礼したエッガーに、エリカが首をかしげた。
「あれ、ということはエッガー先生は良い人だったということでしょうか…？」
「良い人、ではないだろうな」
鋭く尖った声でエッガーが返した。その威圧感にエリカはユリエルの後ろに隠れようとした。が、イロハが引っ張り出した。
「良い人、とは何なんだろうな。自分たちに優しく接してくれる人か？自分たちを保護してくれる人か？」
エッガーの問いに、誰も答えることはできなかった。自分たちが『良い人』だと思っていたフェザーは自分たちを手にかけようとしていた。
その一方で、『悪い人』だと思っていたエッガーは自分たちをフェザーの手から守ろうとしていたのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明咲こより - 美坂るぅさん» 了解致しました。 (2017年2月5日 14時) (
レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - 明咲こよりさん» そうですね、消しておきます。どうやらコメ欄とボタンの色がコピーできていないようですので、ひつようならよろしくお願します。 (2017年2月5日 14時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 美坂るぅさん» できました！画像が重なってしまっているのは、自分で調べて直します！作成して下さり、本当にありがとうございました。それから、パスワードが書いてあるコメントは消去した方が宜しいのでしょうか？ (2017年2月5日 14時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - 明咲こよりさん» 了解です。 (2017年2月5日 13時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 美坂るぅさん» 申し訳ありません…urlを入れているのですが、画像が表示されません。もう少し試してみますので、少々お待ち下さい。 (2017年2月5日 13時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
