18章『留守番』２ ページ31
パーティーが始まってやや時間が経った今、大ホールは生徒たちの笑顔で溢れていた。リリシアの目の前を、煌びやかなドレスに身を包んだ女子生徒とタキシードを着こなした男子生徒が手と手を取り合って回る。五年生以上の上級生たちは、正装することが許されているのだ。
だが、一年生であるリリシアは制服でなければいけない。特別嫌なわけではないが、ドレスを着てパーティーに臨むのを少し楽しみにしていただけに残念だった。そしてリリシアにとっては、高学年とあまり関わらなかったこともあってか、マリーやカーティスも立派な上級生に思えていたのだが、学校全体で見るとそうでもないらしい。
七年生と五年生、そして今年卒業していった八年生の学年にプリゼノはおらず、六年生もチャーリー以外のプリゼノはいないらしい。必然的に、さほど親密な関係は築けなかったのだ。プリゼノであるということ以外には、話の種が思いつかなかったということを少し後悔する。
一から四年生までにプリゼノが集中しているのを不思議に思い、以前グレイシアに尋ねたところ、精獣は同時に放たれ、その力を受け継いだプリゼノもほぼ同時に現れ始めたことから、その子孫もある程度近い年代に集中するのだろうという答えが返ってきた。もちろん例外も多いが、仲間が多いことは心強いことだと自分を幸運に思ったことを覚えている。
「リリシアー？何たそがれてるんだ？」
と、顔の真ん前にオレンジジュースが入ったグラスが現れた。驚いて目を丸くすると、グラス越しにフェリックスの「してやったり」という顔が見えて無性にイラついてしまう。やや乱暴にグラスを受け取ると、
「何だよ、ありがとうぐらい言えよな」とフェリックスはぼやいた。
そのままリリシアの隣に立ち、窓枠にもたれかかるフェリックスをちらりと見やったリリシアは、ここ一年で友人関係も大きく変わったなと実感する。そもそも、一年前まではずっと人間界で誰とも関わらずに暮らしてきたのだ。友人ができたこと自体初めてだった。
そう思っていると、知らず知らずのうちにフェリックスを凝視していたのか、その視線に気づいたフェリックスが「…何だよ」とたじろいだ。ハッと我に返り、やっとフェリックスを認識したリリシアは、目に飛び込んで来る彼のふてぶてしい表情に思わず吹き出した。
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明咲こより - 美坂るぅさん» 了解致しました。 (2017年2月5日 14時) (
レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - 明咲こよりさん» そうですね、消しておきます。どうやらコメ欄とボタンの色がコピーできていないようですので、ひつようならよろしくお願します。 (2017年2月5日 14時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 美坂るぅさん» できました！画像が重なってしまっているのは、自分で調べて直します！作成して下さり、本当にありがとうございました。それから、パスワードが書いてあるコメントは消去した方が宜しいのでしょうか？ (2017年2月5日 14時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - 明咲こよりさん» 了解です。 (2017年2月5日 13時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 美坂るぅさん» 申し訳ありません…urlを入れているのですが、画像が表示されません。もう少し試してみますので、少々お待ち下さい。 (2017年2月5日 13時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
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