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17章『反転、穏やかな日々』4 ページ26

天空回廊を駆け抜けて、リリシアは一直線にアレキサンライス寮のドアへと向かう。早くヘレンやジェシカに会いたい、そして早く食べ物にありつきたい。半ば突進するかのようにリリシアはドアを開け放つ。その勢いはドアの認証システムがよく間に合ったと思えるほどだった。

当然のごとくドアは大きな音を立て、朝食のために集まっていた生徒が一斉にリリシアを見る。無数の視線が自分に集中するのを感じて、リリシアは少し後悔した。早く友人に会いたいという思いと食欲で脳内がいっぱいで、ドアを思いっきり開けたらどうなるかということまで考えが至っていなかったのである。

「リリシアぁぁぁぁぁ!」
「うひゃあ!」
が、後悔したのも一瞬のうちで、ほぼ水平に吹っ飛ぶようにして抱きついてきたヘレンを受け止めきれずにリリシアは尻餅をついた。フェリックスがリリシアにハグをした際には「そんな軽々しく異性にハグしちゃうものなの?」とヘレンは言っていたが、ヘレンも大概スキンシップは激しいと思う。

「ヘレン、病み上がりのリリシアを怪我させるつもりなの?」
「ちょっとは冷静になろうぜ?」
ジェシカが呆れ顔でリリシアに覆いかぶさったヘレンと引き剥がす。フェリックスにニヤニヤされながら顔を覗き込まれたことがヘレンにとっては少し屈辱だったらしい。ふんっとフェリックスから顔を背けた。

「リリシア、立てる?」
そして尻餅をついたままのリリシアに、ガイアが手を差し伸べた。ありがたくその手を取って立ち上がり、服についた汚れを払う。スカートを叩きながら、リリシアは思わず笑みをこぼした。それにフェリックスが気づく。

「リリシア、どうしたんだ?」
「ううん。なんか、こんな風に五人で騒ぐのって久しぶりな感じがして」
「そうか?」

フェザーの一件があってからまだ二日も経っていない。けれど、五人でたわいもない会話をすることがやけに懐かしく思える。それは間の出来事が濃密だったからなのだろうか。理由は定かではないが、こうして日常に戻れたことに安心していることは確かだろう。

「朝食、リリシアの分もとってあるからさ、一緒に食べよ!」
手首を掴んでグイグイとソファーへリリシアを引っ張っていくヘレン。まるで朝から一日分のエネルギーを使い切ってしまいそうなほど、今日のヘレンはテンションが高い。その時、思い切り引っ張られてバランスを崩しそうになりながら歩いていくリリシアのポケットから、黒い小箱が転がり落ちる。

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設定タグ:魔法使い , 魔法学校 , 明咲こより   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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明咲こより - 美坂るぅさん» 了解致しました。 (2017年2月5日 14時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - 明咲こよりさん» そうですね、消しておきます。どうやらコメ欄とボタンの色がコピーできていないようですので、ひつようならよろしくお願します。 (2017年2月5日 14時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 美坂るぅさん» できました!画像が重なってしまっているのは、自分で調べて直します!作成して下さり、本当にありがとうございました。それから、パスワードが書いてあるコメントは消去した方が宜しいのでしょうか? (2017年2月5日 14時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - 明咲こよりさん» 了解です。 (2017年2月5日 13時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 美坂るぅさん» 申し訳ありません…urlを入れているのですが、画像が表示されません。もう少し試してみますので、少々お待ち下さい。 (2017年2月5日 13時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明咲こより | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年1月2日 19時

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