16章『闇獣と精獣』６ ページ20
「ええ。皆さんもご存知の通り、かつて暗黒時代と呼ばれた頃には、人間界までもが闇の力に飲み込まれていました。つまり闇の支配は人間界にまでも及んでいたのです。ですから、精獣により力を失った闇の勢力は人間界に隠れることにしたのです。魔法界に帰れば、ほぼ確実に闇の者たちは捕らえられたでしょう。それを避けるため、彼らは人間界に姿をくらませたのです」
するとまたもや手が上がった。今度はガイアだ。琥珀色の瞳をまっすぐにコンラッドに向けて「それって、何か根拠や証拠とかってあるんですか。それともただの推測ですか？」と尋ねた。さっきから、リリシアは親友たちの的確な質問に驚かされっぱなしだ。
「ガイアも、良い着眼点ですね。根拠ならあります。その後人間界ではいわゆる『モンスター』や『怪物』、『妖怪』などの伝承が伝わり始めました。恐らくその伝承に登場する者たちが闇獣のプリゼノ、『ダーケル』たちだと考えられます」
ダーケル。闇に堕ちたプリゼノ。それがもし人間界の伝承に残る者たちだとしたら。
リリシアの脳裏に、長い風車生活の中で読んできた物語が次々に浮かび上がる。真っ先に『モンスター』と聞いて思い浮かんだのは吸血鬼だ。彼らはコウモリの姿をとることもあると本には記されていいた。十分にダーケルである可能性はある。
「もちろん、すべてのダーケルが人間界の伝承として伝えられているわけでもありませんし、正確な闇獣の種類はまだ把握しきれていません。確実に言えるのは、しばらくの間はダーケルたちは人間界に潜伏していたということです」
しばらくの間は潜伏していた。その言葉に引っかかりを覚える。と、言うことは…？
「今は、違うということですか？」
おずおずと口を開いたリリシアを見据えて、コンラッドはゆっくりと、しかしはっきりと頷いた。まるで、ここからが本題だとでも言うように。
「近年になるにつれて、人間界ではダーケルと思われる者の目撃情報が激減しています。もはや、それらは昔の人間たちの見間違いや作り話だとする説の方が主力となりつつあるのです。しかしながら、我々はそうとは考えていません。
暗黒時代から長い月日が経ち、魔法王の一族や元老院の者たちの中にすら闇獣やダーケルの存在を知らない者が増えているのです。この時を狙って、今、魔法界に再びダーケルたちが侵入し始めていると私たちは考えています」
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明咲こより - 美坂るぅさん» 了解致しました。 (2017年2月5日 14時) (
レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - 明咲こよりさん» そうですね、消しておきます。どうやらコメ欄とボタンの色がコピーできていないようですので、ひつようならよろしくお願します。 (2017年2月5日 14時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 美坂るぅさん» できました！画像が重なってしまっているのは、自分で調べて直します！作成して下さり、本当にありがとうございました。それから、パスワードが書いてあるコメントは消去した方が宜しいのでしょうか？ (2017年2月5日 14時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - 明咲こよりさん» 了解です。 (2017年2月5日 13時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 美坂るぅさん» 申し訳ありません…urlを入れているのですが、画像が表示されません。もう少し試してみますので、少々お待ち下さい。 (2017年2月5日 13時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
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