6章『アレキサンライス寮』4 ページ38
刹那、まるで今までせき止められていたかのように、リリシアの杖から渦を巻くように物凄い勢いで水が現れた。
現れた水はしばらくリリシアの周りを漂う。
まるでリリシアを守るように。
「ほほう…」
それを見ていたセジウィックは思わず感嘆の声を漏らした。
やがて、漂う水は姿を変える。そう、結界の森の時のように。
そして、透き通った淡い光を放つ狐がリリシアの前に出現した。
「やはり…あなたには水魔法の素質も十分にあります。ですが…それよりも変身魔法に対しての素質が勝っています。あなたの寮は、紛れもなくアレキサンライスですよ」
そう言ってセジウィックが手に持っていたボードに何か書き込むと、リリシアのマントのエンブレムとボタンが輝き始めた。
白い光が収まると、さっきまで白かったエンブレムとボタンには青緑色に光る宝石があった。
「うわぁ…」
とリリシアが声を漏らすと、セジウィックは微笑んで、ある一つのドアを指差した。
「あなたの胸元に光る宝石は、アレキサンドライト。太陽光の下では青緑色に、白熱灯の下では赤色に変化する宝石です。アレキサンドライトが変身魔法に長けている者が集うアレキサンライス寮のシンボル。あのドアにそのボタンをかざせば、道は開けるはずですよ」
そう言うと、セジウィックは次の生徒の方へと向き合ってしまった。
示された扉に向かって歩いて行き、言われた通りにボタンをかざす。
すると、ガチャンッという音がして扉が手前に開いたのだ。
その奥には、光差し込む天空回廊、そして今度は黒い扉があった。
足元までガラス張りの天空回廊に少しヒヤッとしながらも、奥の黒い扉に向かう。
扉の前に立つと、先程の扉と同じようにはめ込まれたアレキサンドライトが、淡い光を放った。
そして、低い声が天空回廊に響く。
『汝の寮の名は?』
「…アレキサンライス」
『寮の宝石は?』
「アレキサンドライト」
『汝の名は?』
「リリシアーネ・アクアフォール」
三回扉とのやりとりを交わすと、扉のアレキサンドライトの輝きは更にました。
『入るがよい。変身魔法に長けた者が集う、このアレキサンライス寮に』
そう声が聞こえたと同時に、黒い扉が手前に開いた。
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コヨリ - たかさん» スプラトゥーンと全く関係ないですけどね(笑)。今後ともよろしくお願いします。 (2016年7月20日 22時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
たか - 新作来たー (2016年7月20日 19時) (レス) id: 1f4e2973eb (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - コヨリさん» あ、更新ヤッターって意味なんで大丈夫です。 (2016年7月17日 11時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
コヨリ - 阿須波さん» 最低一回は一日に更新するようにします…よほどのことがない限り (2016年7月17日 11時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
阿須波(プロフ) - 更新♪ (2016年7月16日 19時) (レス) id: 2cfe1139d2 (このIDを非表示/違反報告)
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